今季は開幕先発ローテに入るも、右肩の違和感で無念の途中離脱

 ヤクルトは10月2日、以下の8選手に来季の契約を結ばないことを通告した。由規投手(29歳/11年目)、成瀬善久投手(33歳/15年目)、久古健太郎投手(32歳/8年目)、菊沢竜佑投手(30歳/2年目)、古野正人投手(32歳/7年目)、大松尚逸内野手(36歳/14年目)、比屋根渉外野手(31歳/7年目)、鵜久森淳志外野手(31歳/14年目)。すべて2018年の満年齢。

 中でも由規の退団は衝撃的だった。背番号11を背負い、ファンからの人気もあり球団の顔とも言える存在。この功労者に、球団は球団内にポストを用意するつもりだったが、由規自身がこれを固辞。「ボロボロになるまでやりたい」と、新天地での現役続行を決意した。

 2008年高校生ドラフト1巡目でヤクルトに入団。宮城・仙台育英高時代には大阪桐蔭高の中田翔(現日本ハム)、成田高の唐川侑己(現ロッテ)とともに「高校ビッグ3」と呼ばれ、1989年生まれ世代のけん引役だった。

 だが、プロ入り後は故障に苦しんだ。11年9月に右肩腱板損傷が発覚し、長いブランクに突入。13年には右肩クリーニング手術を受け、15年まで4シーズンは一軍登板がなく、同年オフに育成契約となる。それでも16年7月に支配下返り咲きを果たすと、同年9月の1771日ぶりの一軍登板を経て、同24日の中日戦(ナゴヤドーム)で1786日ぶりの勝利を手にした。

 今季は開幕先発ローテ入りすると、4月22日の巨人戦(東京ドーム)では7回途中1安打無失点の好投で今季初勝利をマーク。健在を示したかに思われたが、6月2日の楽天戦(楽天生命パーク)で右肩の違和感を訴えて緊急降板。故郷に錦を飾ることができなかった。

 記者会見に臨んだ由規は涙を見せていた。育成降格時にも「背番号11」を空けて待ってくれた球団への愛情は人一倍。それでも、自らの野球人生を優先した。「ボロボロになるまで」という言葉は重い。その選択肢には独立リーグも含まれているという。舞台がどこになるかは分からないが、2度目の復活劇を見守りたい。

文=富田 庸 写真=BBM