プレー以外でも好アピール(!?)の佐藤

 新型コロナウイルス感染拡大と、当然ながらプロ野球も無縁ではいられない。序盤から無観客で行われたオープン戦。そんな中でひときわ声を出し、無人のスタンドに「熱男ー!」を繰り出す松田宣浩の姿が目立った。ベテランになっても変わらない元気印の傍らで、一軍枠入りへアピールに必死な若手も懸命に声を張る。早くもムードメーカーの資質を見せ始めたのが、ドラフト1位ルーキーの佐藤直樹だった。

 即戦力の期待を背負い、同5位の柳町達とA組(一軍)で滑り出した春季キャンプ。明るい性格と人懐っこい笑顔で、すんなり溶け込んだ。「さとう」が由来の愛称「シュガー」で呼ばれ、いじられ役として定着。練習中にムチャぶりを受け、たびたび一発芸を披露した。新加入のバレンティンが本塁打後のパフォーマンスにした「ピーポーピーポー、パーティーピーポー」もここから拝借したものだ。一時は右ヒジ違和感でヒヤリとしながら、何とか生き残って迎えた3月。試合前の円陣で松田宣から声出し役に指名され、ウケるまでネタを繰り出す姿に「すごいな」の声があちこちから漏れた。

 限られた出番の中でオープン戦11試合に出場し19打数7安打、打率.368。チーム単独トップの5盗塁と持ち味の快足も光った。広島との最終戦で決めた5盗塁目のフォームを、年下のリチャードからいじられる一幕も。「何とか食らいついていきたい」。そんな懸命さを笑いで包む、エンターテイナーの素質ありだ。

写真=湯浅芳昭