メジャー挑戦も視野に、石川歩が勝負の7年目に挑む

 今季に懸ける思いは誰よりも強かったはずだ。

 石川歩は昨年12月25日、契約更改交渉の席上で、ポスティングシステムを利用してメジャー・リーグに挑戦する意向を持っていることを明かした。プロ7年目の今季へ「ここ数年、結果を出していないので、しっかりアピールしていきたい」と意気込んでいたものの、新型コロナウイルスの感染拡大で開幕の日はいまだ訪れない。

 富山・滑川高から中部大に進み、社会人の東京ガスでの3年間を経て、遅咲きの25歳でプロの世界に飛び込んだ。1年目で10勝(8敗)を挙げて新人王を獲得すると、2年目は12勝(12敗)。3年目は14勝(5敗)、防御率2.16でエース格に成長した。

 2017年にはWBC日本代表に選ばれたが「抑え方が分からない」と漏らすほどの状態で、シーズンは3勝11敗の大不振に陥った。18年は9勝(8敗)、19年は8勝(5敗)と2ケタ勝利に届かず。ただ、昨季は中継ぎから先発に再転向した終盤に復活を印象づけた。

 吉井理人投手コーチは「昨年の後半戦くらいから、一人で何でもできるようになってきた」と、独特の言い回しで成長を表現する。

 今春キャンプは佐々木朗希の一挙手一投足が注目された中、石川は楽天からフリーエージェントで移籍した美馬学とともにじっくりと調整を進めた。「僕のときなんて、報道陣5人くらいでしたよ」と冗談めかし、ルーキーの心身を思いやっていた。

 当初は開幕投手が美馬で、石川は火曜日のカード初戦に先発する予定だったが、大幅な開幕延期で先発ローテは白紙に。「最初の試合は絶対に緊張する。(開幕投手かどうかは)それが早いか、遅いかだけ」と話していた。

 今はその緊張感が待ち遠しい。今か今かと開幕を待っている。

写真=BBM