「週刊ベースボール8月3日号」のインタビューで、ここまでの自身について振り返ってくれた栗原

 つかんだチャンスを、強烈なスタートダッシュでものにした。6月19日のロッテとの開幕戦(PayPayドーム)。初の開幕スタメンを果たした栗原陵矢が、8回に今季初安打をマークすると、同点の延長10回に劇的なサヨナラ打を放った。大事なシーズン初戦での勝利を運んだ孝行息子の一打に、工藤公康監督は「こういう状況でなければ、抱きしめたい」と大興奮。6月の練習試合では1度しかなかった二番で抜てきに応えた新星は「初めは緊張したけど、先輩たちが声を掛けてほぐしてくれた。うれしかったという一言に尽きます」と、初々しく白い歯をこぼした。

 勢いは止まらない。24日の西武戦(メットライフ)ではプロ初の猛打賞をマークするなど、開幕から5試合連続安打。同戦から一番打者に定着し、26日にも再び3安打を放っている。シャープな打撃だけでなく、遠征から本拠地に戻ってきての7月7、8日の楽天戦では2試合連続本塁打。開幕17試合を終えた時点で打率.310、4本塁打、15打点と、強力打線の斬り込み隊長として欠かせない存在となった。

 入団以来、打撃力を武器としながらも、本職の捕手ではなかなかチャンスに恵まれず。葛藤を抱えながらも、その打撃に磨きをかけ続けたことで現在は一塁、外野で出場機会を得た。「捕手で出たいという思いはある。でも、すごい人(甲斐拓也)もいる。もう6年目。同世代がどんどん一軍でプレーしている。だから、そこ(捕手)のプライドは一回置いて、どんな形でも試合に出たい」。勝負の年に完璧なスタートダッシュを決めた新星が、この勢いでまだまだ暴れまくる。

写真=湯浅芳昭