大瀬良大地

 チームの大黒柱が帰ってきた。8月8日に本拠地マツダ広島で行われた阪神戦に先発した大瀬良は7回1失点の粘投で4勝目。チームでは今季初の1点差の勝利を導いた。グラブをたたき、渾 (こん)身のガッツポーズを決める。普段以上の気迫の投球で貴重な復活星を手にした。「チームに迷惑をかけて、ファンの皆さんにも心配をかけた。元気な姿を見せたかった」。

 突然のアクシデントだった。7月24日、DeNA戦(横浜)で先発した右腕は立ち上がりから制球を乱し、2回2失点、33球を投げ、3回のマウンドには姿はなかった。詳しい内容は明かされなかったが、コンディション不良により、25日に出場選手登録を抹消された。

しかしリハビリ組の三軍には行かず、一軍本隊に同行しながら調整を続けていた。理由を「若い投手が多いので、コミュニケーションを取る時間を増やしながら頑張ってほしい気持ちがあった。わがままを言って調整させてもらった」と明かしていた。投げられないもどかしさを抱えながらも、チームを思い、裏で支えた。

 今季は開幕からエースとしての威厳を示した。2年連続の開幕投手を務めた6月19日DeNA戦(横浜)では9回1失点の完投勝利。バットでもプロ初本塁打を記録するなど、投打で奮闘した。今季2戦目の同26日中日戦(ナゴヤドーム)でも9回1失点と開幕から2試合連続完投勝利を達成した。順調に勝ち星を積み重ねていた中での離脱も、わずか2週間で戦列復帰を遂げた。

 チームは依然として下位に沈む。7月は7勝15敗3分けと大きく負け越した。しかし8月に入り、巻き返し始めている。エースの復帰とともに、波に乗っていきたい。

写真=BBM