今季は新たにスプリットを操っている平良

 直球含め、持ち球すべてが「超一級品」と評される平良海馬だが、中でも今季最も威力を発揮しているのが新しく加わったフォークだ。本人はあえて「スプリット」と表現する。「チェンジアップからスプリットに変えた」という位置付けの新球種は、防御率0.90、パ・リーグ初の20ホールド、20セーブを記録した昨季の好成績から、さらなる進化を求めて習得した。

 そこには、昨季の反省から、「チェンジアップはあまりストライクが投げられなかったということと、右打者に落ちる球を使っていきたいと思って。シュートしながら落ちていくチェンジアップよりも、もう少しシュートせずに縦に落ちるスプリットのほうが、右打者に対して投げやすい」との考えがあった。

 実際、効果はてき面で、目に見えて奪三振率、空振り率が上がった。

「去年は三振というよりは、なるべく疲れたくないので、打たせてアウトを取る投球を目指していたのですが、今年はさらにレベルアップしようと思い、球速や三振数にこだわってやっています」

 9月12日現在、奪三振率10.50から11.90への向上はまさに思いどおりの結果と言えよう。また、縦変化の落差を生かすために最速160キロ、抜群のキレを持つ直球という武器の割合が昨季よりも約10パーセント増えているという意味でも、スプリットは非常に価値のある球種と言えよう。

 右手中指痛のため、8月10日から戦線離脱しているが、30日の二軍戦で実戦復帰。9月6日に一軍昇格を果たした。首位争いが激化を極める中、平良の剛腕は必要不可欠。相手打者のバットに次々と空を切らせ、チームの優勝を後押ししていく。

写真=BBM