チームのため、徐々に調子を上げていきたいマクブルーム

 待望の一発は開幕19試合目、71打席目に飛び出した。4月23日のDeNA戦(マツダ広島)、1点を追う7回。ライアン・マクブルームの打球は、あっという間に左翼席上段に着弾した。セ・リーグの四番打者では最遅の今季1号だった。

 来日1年目の昨季はチームトップ17本塁打を放ち、今季も開幕から全試合で四番に座り続ける。4月30日の巨人戦(東京ドーム)では2号を含む今季初猛打賞をマーク。同日時点で打率.235も、打点はチームメートの秋山翔吾らと並びリーグトップに1差の3位タイの13。うち3点が犠飛、1点が内野ゴロと物足りなさはあるものの、「一番はチームの勝利」という思いの一端が打点の数として表れている。

 昨季から好不調の波はあったとしても、どんなときでも自分を見失わない。「打てるとき、打てないときが必ずある。自分も実際、打てないとフラストレーションはたまるが、野球人みんなが感じること。そこに適応しながら自分が打てる球を打っていく。その繰り返しが成功へのカギ」。そう自分に言い聞かせ、鯉の季節の5月からの爆発につなげようとしている。

 新井貴浩監督は開幕前から「四番がしっかりといるチームは安定した戦いができる」と、主軸の重要性を語った上でマクブルームの起用を決めた。チームは開幕4連敗と苦しいスタートを切ったものの、直後の5連勝で盛り返し、4月は勝率5割の単独3位で終えている。上位を打つ菊池、西川龍馬は打率3割を超え、秋山は4割近い。あと打線に必要なのは、四番の長打力だ。

写真=BBM