今季は5月16日現在、6試合に先発して2勝に終わっている青柳

 試練の年になった。昨シーズン最多勝、勝率第一位、最優秀防御率の3冠を獲得したエースの青柳晃洋に勝てないゲームが続き、もがき苦しんでいた。

 1年前は新型コロナウイルス感染で出遅れたが、初登板になった先発から3連勝で好スタートを切った。今年はエースの座を確固たるものにするシーズンのはずだった。

 しかしフタを開けると、それは真逆の展開になった。3月31日のDeNA戦(京セラドーム)で初勝利。だがそれ以降は不調に陥った。

「あれだけひどいピッチングが2回続いても投げさせてもらえるのは期待してくれていると思う。その期待に応えたい」

 そう言い残した青柳だが、その後も2試合連続で5回持たずのマウンドになった。2019年に先発ローテーションに定着してからは珍しいことだった。

 一軍で頭角を現した当時は制球が定まらないタイプだったが、投球術で勝てるまに成長。しかし今年は再び制球力を欠くように。開幕投手に指名した岡田彰布監督も「最多勝のピッチャーにストライク入るように練習せえとは言えない」と復調待ちの姿勢を示していた。

 また青柳本人が「打たれている球種が一緒」と分析しているように狙い球を絞られているのも今後の課題といえた。

「先発として毎回勝ちたいし、長いイニングを投げたいし、完封を目指したい」

 5月12日のDeNA戦(甲子園)では7回1/3を7安打3失点で開幕戦以来の勝利。これをきっかけに上昇気流に乗れるか。エースの復活はチームの行方を占うカギを握っている。

写真=BBM