早大は今秋、70年ぶりの最下位(東大と同率5位)。新主将の小島はエース兼任としてフル回転を誓い、日本一を狙っている

 早大が12月22日、安部球場(東京都西東京市)で2017年の練習を納めた。しかし、実はまだ年内の活動は終わっていなかった。23日は大掃除の一方で、34人を選抜しての強化練習がスタートする。27日まで5日間、朝9時から夕方まで野球漬けの年末を過ごす。

 来年に就任4年目を迎える早大・高橋広監督は「弱いチームは練習するしかない。リーグ戦が終わった直後は『正月返上』も考えた」と、本気で地獄のプランを練っていたが「それでは、選手のテンションも上がらないかも……」と、断念した背景がある。

 強化練習の意図を指揮官はこう語る。

「この5日間ですぐに成果が望めるものではない。ほかの大学よりも練習した、という気持ちの部分が大きい。質量とも精神的な支えになればいいと思う」

 早大は今秋、70年ぶりの最下位(東大と同率5位)に沈んだ。新主将には高橋監督が「最もゲームに出ている」と信頼する、左腕エース・小島和哉(3年・浦和学院)を指名。早大で投手で主将を務めるのは、2010年の斎藤佑樹(日本ハム)以来8年ぶり。高校時代は2年春のセンバツ優勝投手、3年時には高校日本代表でプレーするなどキャリア十分のサウスポーである。

 小島は「野手の副主将2人の協力を得て、3人で主将という感じです。あまり例がないということで、自分たちで考え、変わるきっかけとしていけばいい」と、前向きにとらえている。

 今春、秋とリーグ戦で1点差での敗戦は全14敗のうち9試合あった。小島はその原因を冷静に考えた。

「技術が劣っているというよりは、何かしらの差がある、と。普段の私生活から見直して、身の回りの掃除、整理整頓を(11月の)新チームから取り組んでいます」

 小島の卒業後の進路志望は「プロ」だが、その思いは心に秘めるという。

「大学からプロに行くのが一番ですが、まずは早稲田が春、日本一になること。それを達成すれば、活躍しているということだと思う。自分のことよりも、チームのことを考えたい」

 小島は3年秋までにリーグ戦通算14勝。「監督からも5勝はしろ、と言われている。防御率0点台を目指したい」と、WASEDAの主将兼エースの役割を全うするつもりだ。

 新年の練習始動日は1月6日。例年は東伏見稲荷での必勝祈願後、お雑煮を食べてから練習に入るが「食べている時間があるなら練習」と、2018年は即グラウンドに出るという。前回、最下位だった翌1948年春はリーグ優勝を遂げた。

 小島は言う。

「早稲田は、このままではいけない」

 最下位からの下克上。早大は日本一の練習量で名門復活を期す。

文=岡本朋祐 写真=BBM