ケガに泣かされた6年間だった

 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月2日だ。

 プロ4年目、智弁学園高出身の巨人・岡本和真が覚醒のシーズンを送っているが、今回は、巨人、智弁の先輩選手の話だ。

 2001年6月2日の広島戦(東京ドーム)で巨人7年目の福井敬治がうれしいプロ初ホームランを放った。5対6とリードされた6回裏、福井は広島・高橋建の外角ストレートを左中間スタンドに叩き込む逆転2ラン。「完ぺきです。打った瞬間入ったと思いました。頑張ってきて本当によかった」と福井は声を弾ませた。

 これまでの6年間は、右手首、右足首の骨折、腰痛などがあり「健康な体で野球をやった覚えがないんです。ほんとに上でできるのか、自分はずっとファームなんじゃないかと思ったことも何度もあった」という。
 さらに、当時の巨人野手陣の層は厚く、毎年のように逆指名で大物が入る。泥まみれになって必死に練習し、二軍で結果を出しても、なかなか一軍のチャンスを得ることができず、一軍出場は前年の00年後半が初めてだった。
 苦しいときも気持ちが切れなかったのは、消防士だった父親が亡くなった後、女手ひとつで育ててくれた母親の存在だ。
「おふくろが喜んでくれるから頑張ってこれたと思います」と福井。ホームランでもらったジャビット人形も母親に贈ったという。

 試合は敗れたが、一軍首脳陣に強烈にアピールする一発となった。

写真=BBM