昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

パはプレーオフの可能性も



表紙は巨人・堀内恒夫


 今回は『1966年10月17日号』。定価は60円だ。

 セはすでに巨人が優勝決定。パは、ほぼ南海優勝で確定と思われたが、西鉄が必死の追い上げを見せている。

 ただ、一時の南海を一気に追い抜かんばかりの勢いを弱めたのが、9月27日からの最下位近鉄との3連戦。当然3戦全勝と意気込んだが、これが1勝1敗1分になってしまう。

 痛かったのが、出足をくじかれた形となった初戦、新人・鈴木啓示相手の黒星だ。3回を終わって7三振、最終的に15三振を喫したのだからたまらない。

 9月29日現在で、9勝12敗と負け越していた鈴木だが、むしろ非力な近鉄打線をバックに9勝も、と周囲の評価は急上昇中だった。 
 すでに最下位がほぼ確定となっていた近鉄は、この左腕を試合に使いながらの連日、走り込みを課して下半身強化を命じていた。
 27日の試合も、前日の練習では合同練習の後、400本ノックを浴びせられ、ふらふら。それでもなおの快投だった。

「優勝を狙うチームが僕みたいな若造に負けたらしゃくでしょうが、こっちだって一生懸命なんですよ」という鈴木。
 28日には19歳の誕生日を迎えた。

 ただ、優勝が絶望的と言われたことで、西鉄は完全に開き直った。
 中西太監督の試合前の檄はこうだ。
「ええか。大事なところだが、ビクビクしたらあかん。中途半端なプレーだけは絶対に許さんぞ。エラーしたっていいんだ。三振したっていい。とにかく思い切って突っ込め、思い切って振れ。ウジウジしたり、メソメソしたプレーは絶対にやるな」
 選手たちも「こうなったらやけくそばい」と言いながら表情はイキイキ。どうも、このチームの場合、トップを走るより、追う立場のほうが燃えるようだ。

 可能性は高くないが、西鉄が残り試合に全勝し、南海が1敗すれば同率首位。史上初の優勝決定戦になる。

 一方、優勝絶望となった東映は11月1日出発予定のブラジル遠征が待っている。ここでメキシカン・リーグのチームらと14試合を戦う予定だ。
 水原茂監督は「中南米で黒人選手を探したい」と言っている。

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM