昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

ペプシ・オリオンズは生まれるのか?



表紙は近鉄・土井正博


 今回は『1968年8月19日増大号』。定価は70円。

 大洋・秋山登コーチ、南海・森下整鎮前コーチらの球界暴行事件が話題になっていた時期だが、巨人でも、1つゲンコツ事件が発覚した。
 と言っても、「悪太郎伝」では必ず取り上げられるもの。ご存じの方も多いかもしれない。

 事件は6月18日、名古屋の巨人宿舎「美そ乃旅館」で起こった(初出修正)。
 門限は12時だったが、翌日も試合があるということで、皆早々に宿舎に引き揚げていた。

 ただ1人帰ってきていなかったのが、堀内恒夫だった。このところ出ると負けが続き、ストレスをためていたのは周囲も分かっていた。

 戻ったのは、午前1時だったというが、選手会長・王貞治が戻ってきた堀内をつかまえた(初出修正)。

「これではいけない。堀内のように将来のある選手が、いまからこんなふうに自分に弱い態度ではいけない。プロ野球選手は自分との戦いに勝たなければ勝負に勝つことはできない」

 そう思い、忠告しようと思って待っていたという。
 そこからこんこんと説教をしたのだが、堀内がふてくされた態度を取ったため、平手打ちをした、らしい。

 この事件をきっかけに堀内は復調。球団内では“美談”となっていたようだが、ことがことだけに話は当初、報道陣には隠されていた。

 しかし、どのような状況かは知らないが、今になって堀内本人が「すべては王さんのおかげ。感謝しています」と明かしたらしい。

 東京オリオンズの経営状況について、番記者による対談があった。

 親会社の経営不振もあって12億円の負債を抱えているとも言われた東京。銀行からもそっぽを向かれ、家屋敷も担保になっていたという永田雅一オーナーは、まずは6月ごろにサントリーに業務提携をもちかけた。

 しかし、観客動員などをチェックしたうえで、「(球団経営には)それだけの広告価値はない」と断られ、次に岸元首相、本田毎日新聞社長の紹介でペプシに話を持っていった。

 永田は盛んに「8月には決まるだろう」とマスコミに言っていたが、それはマスコミを通し、向こうをその気にさせる策略では、とも言われていた。

 球宴明けも連敗が続いた東映・大下弘監督がついに公式戦でも休養。事実上の解任と言われた。詳細は次回で。
 
 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM