東京で気持ちよくフルスイング



東海大札幌キャンパスのスラッガー・赤尾光祐は年末年始の帰省期間中、亜大のグラウンドを借りて練習。持ち前の鋭いスイングを披露していた

 勝負の2020年が幕を開けた。今年も充実の年末年始を過ごすことができた。東海大札幌キャンパスのスラッガー・赤尾光祐(4年・東海大相模高)は東京都昭島市出身。北海道での大学生活はまもなく、3年を終えようとしている。

 極寒の冬場はグラウンドが使えず、大学と系列高校(東海大札幌高)の室内練習場、体育館での体作りとウエート・トレーニングに限られる。昨年12月24日には年内の練習を納めると、地元に帰省。各方面へのあいさつを済ませ、年明け3日からは、亜大グラウンド(東京都西多摩郡)を借りてトレーニングを続けてきた。実家から近隣の場所であり、同施設を使用するのは3年連続だという。

 亜大・生田勉監督の次女と赤尾は小学校時代の幼なじみ。また、生田監督は赤尾の父が経営する飲食店に足を運んでいたことから、交流が広がった。大学通算11本塁打を誇る右の強打者・赤尾は、大学日本代表候補として3度の選考合宿に参加。2018、19年は生田監督が大学日本代表を率い、指揮官と選手という縁もあって、練習場所を提供してもらった背景がある。

 北海道では屋外でフリー打撃ができないだけに、東京では気持ち良くフルスイング。充実のメニューもさることながら、意識が高い部員と一緒に汗を流すことが、赤尾にとって大きな財産だ。

「亜細亜は日本一の練習をやっています。部員たちは考えて、野球と向き合っている。研究熱心な選手が多いので、自分にも刺激になります」

 赤尾は東海大相模高2年夏の甲子園で、控え選手として全国制覇を経験。東京六大学でのプレーを希望していたが、夢は叶わず「1年から出場するチャンスがあり、全国大会にも挑戦できる」と、東海大札幌キャンパスに進学した。1年時の大学選手権2回戦(対桐蔭横浜大)では東京ドームの左中間へ逆転2ランを放ちスーパールーキーは一躍、注目の存在となった。

 昨年11月の明治神宮大会でも大商大からプロ入りした2投手(ヤクルト・大西広樹、中日・橋本侑樹)からタイムリーを放ち、鋭いスイングを印象付けた。今春はチームをリーグ優勝、大学選手権では北海道勢初の日本一へ導いた上で、大学日本代表の四番を狙う。そして、大学卒業後の進路は「プロ」を照準に定めている。

父親のステーキ店でエネルギー補給



約5時間に及ぶ練習後は父・郁也さんが経営するステーキ店(東京都昭島市内)で栄誉満点のメニューを平らげる。約2週間の帰省期間中に英気を養い、北海道へと戻る

 さて、約5時間に及ぶ猛練習を終えた後は食事である。父・郁也さんは昭島市内などで焼き肉、やきとり、やきとん、ラーメン、ステーキ店を11店舗展開。昨年9月にオープンした「ステーキべこ六MEAT IMPACT 昭島店」で大好物のジャンボステーキを一気に平らげた。

「全部、おいしいです!!」

 母体は焼き肉店で一頭買いしており、安価で質の良い肉を出し、味付けネギも絶品だ。赤尾は好き嫌いがなく、焼き肉では1キロを軽く完食するなど、大食漢。体を動かした分はしっかり、エネルギー補給している。

「実家に戻ってきて5キロ増えましたが、亜細亜での内容濃い練習を消化すれば、すぐに痩せます。素晴らしい環境で練習をさせていただき、本当にありがたいです。この感謝の思い、練習の成果は、大学選手権での亜細亜との直接対決で実現させたいと思います。亜細亜の選手たちとも、全国舞台での再会を誓い合いました」

 亜大でのトレーニングは1月10日に切り上げ、北海道へ戻る。しばらくは札幌で練習を続け、3月中旬からは約2週間の長崎・福岡合宿が控える。キャンプ後はグラウンドを雪かきして、屋外での練習を再開。そして、4月末に開幕予定のリーグ戦に備える。「北海道に来てよかったです。冬場も課題を見つけて、やりたいことに専念できました」。体重は大学入学時から18キロ増の93キロ。3年間で急成長した右の大砲が、学生ラストイヤーにバットで勝負をかけていく。

文=岡本朋祐 写真=BBM