順調に調整を進める中日の藤嶋健人

 明確なターゲットがある。中日のクローザー候補に名乗りを上げる藤嶋健人は、プロ4年目のキャンプにして初めての感覚を味わっているという。

「昨年、リリーフでの登板を多く経験させていただきました(32試合登板)。先発からゲームをつないでいくプレッシャーと、勝利に結びついたときの喜び……。やりがいを感じて、リリーフにハマった部分があります。オフに『2020年の抑えは誰?』というような記事を見て、決まっていないのなら自分がチャレンジしてみてもいいんじゃないか、と。1年目はプロに慣れるのに必死で、2年目も漠然と一軍を目標にしていただけ。昨年は手術でキャンプにも行けず、それどころではありませんでした。はっきりと目指すものがある中でのキャンプは初めて。充実していますし、結果を残して、どんどんアピールしていきたいです」

 2019年は鈴木博志が14セーブ、岡田俊哉が13セーブ、R.マルティネスが8セーブ(ほかに2人が1セーブずつ)と、シーズンを通してクローザーのポジションを守り通した選手はいなかった。今季に関してはR.マルティネスがキューバ代表として、東京2020五輪出場がかかるアメリカ大陸予選(3月22〜26日)に参加することが濃厚で、開幕は不在となる見通し。現状、同ポジション争いは左腕の岡田と、これまでセーブ経験のない藤嶋の一騎打ちの様相を呈してきた。

 藤嶋は2月15日に今キャンプ2度目となる対外試合・ロッテ戦(北谷)で9回に登板。最速145キロのストレートと、フォークを武器に1イニングを無失点に抑えて「自分の持ち味であるストレートに角度がついてきましたし、良くなってきていると思います」と手応えを得ている。もともと持っていたシンカー気味に落ちるSFFに、キャンプ序盤には北谷を訪れていた野茂英雄さん(元ドジャースほか)からも指導を受け、カット気味に落ちるSFFにも可能性を感じているという。

 昨春はキャンプイン直前に右手の血行障害が判明。キャンプ中に名古屋で手術を受け、「この先どうなるか分からず、不安でした」と当時を振り返る。3月に2度目の手術を受けた後、快方に向かい、6月に実戦復帰。7月に一軍の舞台に戻っているが、プロ入りから3年は開幕一軍の経験もないだけに、重要なポジションを争う現状にモチベーションも高い。このまま状態を上げていけば、初の開幕一軍と勝利の方程式入りは確実。果たして、どのポジションで21歳右腕を見ることができるのか。与田剛監督の決断に注目したい。

文=坂本 匠 写真=小山真司