故・野村克也氏の孫・忠克外野手は日大野球部の練習に合流し、新生活をスタートさせている

 注目されるのは覚悟の上である。

 今年4月、日大に入学する野村忠克外野手(星槎国際湘南高)が新たな生活をスタートさせている。楽天・野村克則一軍作戦コーチの長男だ。

 2月9日に千葉県習志野市内の日大野球部合宿所に入寮したが、11日に祖父・野村克也氏が急逝。家族葬を終え、悲しみを乗り越えて15日にチームへ戻った。取材対応してくれた18日、初々しいコメントを残している。

「入寮翌日(10日)が大学の説明会で、16日は練習がオフ。実は今日が練習2日目なんです。みんなの動きについていくので必死……。寮生活も覚えることがたくさんあり、目の前の一日で一杯いっぱいです」

 高校時代は一人部屋だったが、日大では一部屋12人で、2段ベッドが6個並んでいるという。不慣れな生活だが「良い先輩ばかりで、やりやすい環境です」と目を輝かせる。

 本来は高校3年間で野球は完全燃焼するつもりだったが昨夏、神奈川県大会2回戦敗退。自身は副将で三塁コーチとチームの屋台骨を背負っていた。負けたままでは終われない。再び闘志に火がつき、大学でも野球を続ける決意を固めた。

 174センチ65キロ。右投げ右打ちの外野手は、遠投90メートルの強肩が武器である。高校3年間は控え選手だっただけに、レギュラー奪取を目指している。

「どんな形でも良いので、チームに貢献できる選手になりたい。グラウンドだけではなく、寮生活、学校生活においても自覚ある行動を取っていきたいと思います」

 野村克也氏は生前に「人は人を残すのが仕事」と語っていたが、孫にもそのイズムはしっかりと引き継がれている。

文=岡本朋祐 写真=写真=BBM