今季は打線の象徴である「四番打者」の顔ぶれが昨年とガラッと変わりそうだ。DeNAで長年四番を務めてきた筒香嘉智がポスティングシステムでタンパベイ・レイズに移籍し、ヤクルトの主砲・バレンティンもソフトバンクに移籍した。今季は四番の起用が各球団の命運を握るかもしれない。


巨人・岡本和真

・巨人
 岡本和真が不動の四番として活躍することがリーグ連覇の条件になるだろう。昨年は打率.265、31本塁打、94打点。前半戦は打率が上がらず四番を外されたこともあった。潜在能力を考えれば、球界を代表する四番打者になる可能性を秘めている。坂本勇人、丸佳浩、新外国人のジェラルド・パーラがいるが、伝統ある巨人の四番は岡本が大本命だ。

・DeNA
 長年四番を務めていた筒香嘉智が退団した。昨季、ラミレス監督は7月から筒香を二番に抜擢し、勝負強い打撃のホセ・ロペス、2年連続本塁打王のネフタリ・ソトを起用した。今年は新外国人のタイラー・オースティンが加入したが、左の長距離砲・佐野恵太の“四番固定”でまずはスタートしそうだ。


阪神・ボーア

・阪神
 昨年は矢野燿大監督が大山悠輔を四番で我慢強く起用していたが、打率.258、14本塁打、76打点と物足りない数字で、シーズン終盤はジェフリー・マルテが四番を務めた。今年はメジャー通算92本塁打の左の長距離砲ジャスティン・ボーアが新四番の最有力候補だ。メジャーでは左投手への対応に課題を残していたが、懸念を払しょくできるか。

・広島
「侍ジャパン」でも四番を務める鈴木誠也で間違いないだろう。昨季は鈴木の前後を打つ三、五番が固定できず打線がつながりを欠いた。8月中旬から鈴木が三番に入ってチャンスメークも担い、四番に長野久義、松山竜平が起用されたが、常勝軍団復活へ広島の本来の姿は「四番・鈴木」が理想形だろう。

・中日
 ビシエドが四番で固定されてきたが、就任2年目の与田剛監督は春季キャンプの練習試合で三番に起用、阿部寿樹を四番に入れた。昨年のチーム打率.263とリーグトップだったが、総得点563はリーグ5位と打線がつながりを欠いた。2年連続3割と確実性が高いビシエドをどの打順に据えるのか。新しい四番打者も誰になるか注目される。

・ヤクルト
 不動の四番だったバレンティンが退団。昨年36本塁打と大ブレークしたプロ2年目の長距離砲・村上宗隆が新四番の最有力候補だったが、春季キャンプで下半身のコンディションを訴えて出遅れているのが気がかりだ。トリプルスリーを3度達成した山田哲人、青木宣親も候補だが四番タイプではないだけに、村上の復調が待たれる。


西武・山川穂高

・西武
 2年連続本塁打王の山川穂高が四番に入るのが順当だが、昨季は夏場に打撃不振になり打順の入れ替えで中村剛也が四番に。チームは快進撃を続け、ソフトバンクと最大8.5ゲーム差をひっくり返して逆転優勝を飾った。ただ、チームの将来を考えると山川が不動の四番になってもらわないと困る。今年は四番で結果を残し続けられるか。


ソフトバンク・バレンティン

・ソフトバンク
 四番候補が最も多いのがソフトバンクだ。デスパイネ、グラシアルに加えてヤクルトからバレンティンが加入。柳田悠岐も昨年は左ヒザ裏の肉離れから8月下旬に復帰以降は数試合四番を務めた。昨季の総得点はリーグ4位の582得点。トップの西武の756点より170点以上低かった。得点力アップが至上命題の中、工藤公康監督は誰に四番を託すか。

・楽天
 昨年は四番が目まぐるしく変わった。シーズン序盤は島内宏明を起用したが、その後は浅村栄斗、ゼラス・ウィーラーなどが座り、8月以降はジャバリ・ブラッシュで固定された。今年はオリックスで四番を務めていたステフェン・ロメロが加入。三番の浅村に負担をかけないためにも、四番を固定できるかが得点力アップのカギを握りそうだ。

・ロッテ
 昨季は主に井上晴哉が四番を務めたが、日本ハムから加入したブライアン・レアードが前半戦に本塁打を量産して一時は四番の座を奪った。しかし後半は打撃不振で打順降格となり、最後はまた井上で落ち着いている。ロッテは機動力のある選手が多いが、ホームランバッターが少ない。昨オフは外国人野手を補強していないだけに、今季もレアードと井上の熾烈な四番争いになりそうだ。

・日本ハム
 中田翔が長年四番を務めてきたが、昨季は故障の影響で戦線離脱し、球界を代表する巧打者・近藤健介がカバーした。8月には清宮幸太郎を抜擢。高卒2年目の選手が四番で起用されるのは東映時代の張本勲以来球団史上59年ぶりだった。巨人からトレードで才能を開花させた大田泰示も有力候補で、栗山英樹監督の起用法が注目される。


オリックス・ジョーンズ

・オリックス
 新加入したメジャー通算282本塁打のアダム・ジョーンズが四番で間違いないだろう。オリオールズで13年に四番を担ってキャリアハイの33発を放つなど、11年から7年連続25本塁打以上と実績十分。昨年は四番が固定できずに、三番の吉田正尚が勝負を避けられる場面も見られたが、今年はジョーンズの活躍次第で破壊力が数段上がる。

写真=BBM