一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

オールスターはこれでいいのか



32試合連続安打を達成した長池徳二


 今回は『1971年7月26日号』。定価は90円。

 同じ号からまた1本。

 阪急の長池徳二が7月6日の西鉄戦(西京極)で32試合連続安打の日本記録をつくった。これまでの記録は当時阪急のコーチ、野口二郎がセネタース時代につくった31試合連続だった。
 野口二郎は戦前からの名選手で、投手としては入団から8年で200勝に到達し、シーズン最多は40勝、通算では237勝をマークしている鉄腕だ。
 選手後半は打者としても内外野を守り、830安打をマークしている。戦争による中断などがなかったら、300勝、1000安打は当然、射程距離にあっただろう。
 スケール的には、歴代屈指の超スーパースターだ。

 話を戻す。
 長池の記録が光るのは、彼がこの時期でもまだ、フルスイングを変えなかったことだ。
 新記録を初回レフトへのホームランで達成すると、そのまま3打席連続本塁打。最後は敬遠で逃げられたが、4打席連続も十分可能な好調さだった。
「27試合くらいが一番心理的にはつらかったが、滅多にできる記録ではないので、思い切ってピッチャーに向かっていった。常に積極的な気持ちを維持できたのがよかったと思う」
 と長池。右打者でホームランバッター。さほど俊足でなく、内野安打が期待できないことを考えれば、この記録、かなりすごい。

 7月はほかにパで大記録が続々。2日に南海・野村克也が通算500号本塁打、3日にはロッテ・小山正明が300勝をマークしている(シーズン10勝目)。
 小山は長持ちの秘訣について、
「うまい物食って、よく眠って、過度にならんように運動してたら誰でも長持ちするんと違うやろか」
 と淡々と語っていた。
 オールスター投票の最終結果が出た。
 ハガキ1枚に18人列記ではなく、1ポジションのみ2人記入の新制度で、人気投票の色合いがさらに深まったという話は以前書いた。
 結局、パの投手で0勝の太田幸司(近鉄)、一塁手で打率.000の島本講平(南海)はあったが、ほかは無難と言えば無難。
 それでもロッテの江藤慎一はこう言って怒る。
「今度のオールスター投票は歴史に汚点を残す。ファン投票は単なる人気投票ではない。今の若い連中は人気ばかりに甘えて、そこにあぐらをかく傾向にある」
 セの投手1位は阪神の江夏豊。これも6勝9敗。この時点の9勝は堀内恒夫、渡辺秀武の巨人勢、大洋の平松政次がおり、ポジション別で1枚ではなく、18人列記なら江夏が選ばれなかった可能性もある。
 そうなれば、だ。 

 では、また月曜日に。

<次回に続く>

写真=BBM