今季から日本製鉄かずさマジックを率いる渡辺俊介監督は試合中、ソーシャルディスタンスを徹底していた

 社会人野球に球音が戻ってきた。

 社会人野球を統括する日本野球連盟は6月6日、対外試合の自粛を解除した。同7日にはJR東日本グラウンド(千葉県柏市)でJR東日本と日本製鉄かずさマジックが対戦した(無観客試合)。

 6月1日、同連盟から発表された「新型コロナウイルス対応ガイドライン」に沿って試合は進められた。試合前後、ホームベース付近での整列はせず、ハイタッチ、握手およびメガホンの使用も控えた。また、明記されたつばを吐く行為も禁止で、試合中に手をなめる行為も行わないことを順守。また、選手との距離が近い球審はマスクを着用していた。

 試合は日本製鉄かずさマジックが5対3でJR東日本に勝利。マスクを着けてさい配した就任1年目の渡辺俊介監督(元ロッテほか)は「暑いですね……。声が通らない……。慣れていくしかないですかね」と語った。この日の試合前後の円陣も、十分に選手と選手の距離を取り、ホームランで生還した打者ともエアハイタッチ。感染予防対策は万全だった。

 緊急事態宣言が発令されて以降の約2カ月、チームはグループに分かれて、汗を流してきた。ウエートルームも3人以上は入らないなど、3密を回避してきた。JR東日本とのオープン戦までに全体練習はなかったが、個々が技術向上に努めてきた。

「担当コーチとコミュニケーションを取りながら、選手一人ひとりがテーマを持って取り組み、レベルアップした成果が出たと思います。今日、この実戦の中で、新たな課題が見つかった。ユニフォームを着ると(選手たちは)イキイキしていますね」

 この日、ドラフト候補の155キロ右腕・山本晃希(九州国際大)はベンチ入りしなかった。6月20日以降のオープン戦登板を見据えている。ここにも、渡辺監督の「思惑」がある。

「1回、リセットして体を作っているので。予定どおりです。トレーニングが大好きなので(苦笑)。今年は大会が変則。ベストに持っていくのは(10月上旬の都市対抗の)南関東二次予選。逆算してメニューを組んでいます」

 6月8日からは全体練習を再開する。「グラウンドでも人と人との距離を取り、3密を徹底していきたいです」と、社会人野球の新人指揮官は、マスクの下で口元を引き締めた。

文=岡本朋祐 写真=中島奈津子