これまでより約3カ月遅れで開幕と異例のスタートとなった今シーズン。開幕から約1カ月が経過したが、今季の活躍が大いに期待された選手の中には、なかなか調子が上がらず不調に陥っているケースもある。今回は、「今シーズン苦しい状況に陥っている選手」をピックアップしてみた。
※成績は2020年7月25日終了時のもの

リーグMVPコンビがそろって不振



巨人・坂本勇人

 今季なかなか調子が上がらない選手といえば、まずは巨人の坂本勇人が挙げられる。昨シーズン打率.312、40本塁打と活躍し、リーグ最優秀選手にも選ばれた坂本だが、今季は29試合を終えた時点で打率.219、3本塁打と本来の輝きを放てないでいる。一時は26打席連続無安打と極度の不振に陥っており、7月17日に久しぶりの安打を放つも上昇の気配はなく、7月19日の試合では今季2回目のベンチスタート。今季は2000安打達成が期待されるが、このままだと達成に黄信号だ。

 巨人は坂本だけでなく丸佳浩も苦しい状況。広島時代は2年連続でMVPに輝き、巨人移籍1年目の昨季は坂本との「サカマル」コンビでチームを支えたが、23日時点で打率.234。開幕から不振が続いていたが、ここ2試合のヤクルト戦(神宮)で3本塁打を放つなど浮上の気配も見える。巨人は四番に座る岡本和真が打率.315、10本塁打と絶好調でチームをけん引しているが、リーグ2連覇を目指すには坂本、丸の復活が必須だ。

チームのスター選手に不振が目立つ



ヤクルト・山田哲人

 セ・リーグでは坂本、丸だけでなく、トリプルスリーを3度達成しているヤクルトの山田哲人も今季なかなか調子が上がらない。昨季は打率以外でトリプルスリーの条件を満たすなど好調だったが、今シーズンは30試合終了時点で打率.232、4本塁打と、山田本来の実力が発揮できているとは言い難い成績だ。チームは現在2位と好調で、昨季最下位からの巻き返しを図るためにも山田哲に復調してもらいたいところだ。

 投手ではDeNA山崎康晃の不振が目立つ。プロ1年目から抑えを任されてきた押しも押されもせぬ不動の守護神だが、今季は失点機会が急増。セーブ数はリーグトップの6セーブながら防御率は5.23と不安定なピッチングが続いている。DeNAは現在、勝率.500の3位。さらなる浮上には山崎の力が必要不可欠だけに、調子を取り戻してもらいたい。

 昨季活躍したルーキーの中では、阪神の近本光司が厳しい状況だ。1年目の昨季は142試合に出場して159安打を放ち、長嶋茂雄が保持していたセ・リーグ新人安打記録(153本)を更新。また、NPB史上2人目となる新人での盗塁王にも輝いた。さらなる飛躍が期待されたが、今季はここまで打率.194と想定外の打撃不振に陥っている。「2年目のジンクス」を払拭する復活を期待したい。

パ・リーグでは不調の選手は……?



西武・森友哉

 パ・リーグでは西武の森友哉の調子がなかなか上がらない。昨季は開幕からバッティングが好調で、最終的に打率.329で捕手として史上4人目の首位打者を獲得し、MVPにも選ばれた。しかし、今季は30試合終了時点で25安打、打率.240と本来の実力からすると物足りない成績だ。森のバッティング不振も影響しているのか、今季の西武打線には迫力が欠けている。前年以上にマークがきつくなったことや、先を打っていた秋山翔吾の移籍などマイナス要素はあるが、山賊打線復活には森の復調が必要だ。

 ヤクルトからソフトバンクに移籍したウラディミール・バレンティンも不振に陥っている選手だ。6月は月間打率.167と大不振で、7月に入ってからもなかなか調子を上げることはできず打率は.185と低いまま。7月21日の日本ハム戦(PayPayドーム)では15試合ぶりに6号本塁打が飛び出したが、直近の10試合は.013と一発以外は期待できない状態。レギュラーを維持するためにもこのまま不調が続くのは避けたいところだ。

 現在不調の選手の中からピックアップして紹介した。異例づくめの今シーズンはどの選手もコンディション調整が難しく、このまま調子を上げることができないままということも考えられる。ただ、プロの選手たるものこのままでは終われないはず。不調に陥っている選手の「驚異の巻き返し」を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM