プロ野球の中心世代と言われるのが1988年生まれの学年だ。田中将大(ヤンキース)、前田健太(ツインズ)、坂本勇人(巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)、秋山翔吾(レッズ)ら球史に名を刻むタレントがズラリとそろっている。だが、その1学年下の「89年世代」もタレントの宝庫だ。高卒のドラフト1位で入団時には佐藤由規(楽天)、中田翔(日本ハム)、唐川侑己(ロッテ)が注目され、大卒では菅野智之(巨人)、野村祐輔(広島)、藤岡貴裕(巨人)が「大学ビッグ3」として騒がれた。丸佳浩(巨人)、野村、菊池涼介、田中広輔、安部友裕(いずれも広島)もこの世代で、広島が2016〜18年のリーグ3連覇した際に主力として大きく貢献した。

 ほかにも小林誠司、高木京介(巨人)、三上朋也、伊藤光(DeNA)、岩崎翔、嘉弥真新也(ソフトバンク)、田島慎二(中日)、吉田一将(オリックス)、島内宏明(楽天)らが同世代。今年31歳を迎えて円熟味を増してきた彼らは、今後もチームの中心として活躍が期待される。
※通算成績は昨年までの数字


巨人・菅野智之

・菅野智之(東海大相模高、東海大、巨人)
※通算成績176試合登板 87勝47敗0セーブ 防御率2.36

 東海大相模高で2年秋からエースになるが、甲子園出場は叶わなかった。東海大で150キロを超える快速球と精度の高い変化球を武器に首都大学リーグ通算37勝をマーク。田中広輔とは高校、大学の同期で切磋琢磨した。2011年のドラフトで日本ハムの1位指名を拒否し、1年間の浪人生活を経て翌年巨人、巨人にドラフト1位で指名され入団。プロ7年間で最優秀防御率4回、最多勝2回、最多奪三振2回獲得するなど球界を代表するエースとして活躍している。


日本ハム・中田翔

・中田翔(大阪桐蔭高、日本ハム)
※通算成績1303試合出場 打率.253、226本塁打、829打点、13盗塁

 大阪桐蔭で1年から投打で活躍し、夏の甲子園ベスト4に貢献。投手としても最速147キロの直球を武器に将来を嘱望された。1年秋には151キロを計測したが、右肩を故障してプロでは打者に専念。高校通算87本塁打の和製大砲に、2007年高校生ドラフトの1巡目で4球団が競合し、日本ハムに入団した。打点王を2度獲得するなど主軸として活躍。今季は8月17日現在でリーグトップの17本塁打をマークしている。


巨人・丸佳浩

・丸佳浩(千葉経大付属高、広島、巨人)
※通算成績1232試合出場 打率.281、174本塁打、629打点、152盗塁

 千葉経大付高で甲子園に2度出場。3年春はエースで同校初のセンバツ初出場に導き、高校通算49本塁打と投打に活躍した。2008年高校生ドラフト3巡目で広島に入団。プロ4年目の11年に主力になると、13年に盗塁王を獲得。17、18年と2年連続リーグMVPに輝き、外野の守備でも13年から7年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞している。18年オフに巨人にFA移籍。攻守に不可欠な主軸で19年にリーグ優勝と「1人4連覇」を飾った。


楽天・鈴木大地

・鈴木大地(桐蔭学園高、東洋大、ロッテ、楽天)
※通算成績1061試合出場 打率.274、54本塁打、384打点、30盗塁

 桐蔭学園高で1年夏からベンチ入り。2年秋から遊撃のレギュラーをつかんだが、甲子園出場はできなかった。東洋大では同学年の藤岡貴裕、小田裕也(オリックス)とともに5度のリーグ優勝、4度の全国制覇を経験した。大学球界屈指の遊撃として評価され、2012年ドラフト3位でロッテに入団。内野ならどこでも守れる守備力、巧みなバットコントロール、稀有なキャプテンシーで唯一無二の存在に。19年オフに楽天にFA移籍し、不動の二番でチャンスメークする。


広島・菊池涼介

・菊池涼介(武蔵工大二高、中京学院大、広島)
※通算成績1047試合出場 打率.271、85本塁打、379打点、107盗塁

 武蔵工大二高で守備位置は三塁だった。甲子園出場はなく、中京学院大に進学。2年時に三冠王を獲得するなどリーグ屈指の遊撃手として評価が急上昇した。2012年ドラフト2位で広島入団後は二塁で定位置をつかみ、常識を覆す守備範囲の広さと巧みなグラブさばきで13年から7年連続ゴールデン・グラブを受賞。打撃でもシーズン最多犠打を6度マークするなど小技に長けている一方で、2ケタ本塁打をシーズン6度とパンチ力もある。


ソフトバンク・中村晃

・中村晃(帝京高、ソフトバンク)
※通算成績1061試合出場 打率.274、54本塁打、384打点、30盗塁

 帝京高で1年秋から四番に座り、3度の甲子園に出場。2年秋から主将を務め、高校通算60本塁打と鋭いスイングがプロから注目された。2008年高校生ドラフト3巡目でソフトバンクに入団。13年から3年連続打率3割をマークし、14年には176安打を放って最多安打のタイトルを獲得した。卓越したミート能力と選球眼の高さで強力打線に欠かせない中距離打者として活躍している。


ロッテ・益田直也

・益田直也(市立和歌山商高、関西国際大、ロッテ)
※通算成績472試合登板 23勝30敗88セーブ140ホールド 防御率2.98

 市立和歌山商高では内野手だった。甲子園出場はなく、関西国際大入学後に投手に転向。サイドスローからの切れ味鋭いツーシームを武器に救援で素質が開花し、2012年ドラフト4位でロッテに入団した。1年目から72試合登板で41ホールドを挙げ新人王に輝くなど大活躍し、2年目の13年に守護神に抜擢され、33セーブで最多セーブ賞を獲得。その後もセットアッパー、守護神を務め、プロ8年間で472試合登板とタフネスぶりを発揮している。

写真=BBM