ヤクルト・青木宣親

 過去の偉大なレジェンドを抑え、通算打率で歴代トップに立っているのがヤクルトの青木宣親だ。2018年に日本球界に復帰した後、同年は打率.327、2019年は惜しくも3割を逃したものの、打率.297と30代後半になっても衰えはない。今シーズンも打率.310(9月1日時点)と好調で、セ・リーグ打率ランキングは6位。上位との差はまだ大きいが、2010年以来の首位打者の可能性もある。仮に首位打者になれば、38歳での受賞は最年長記録。では、現在の最年長受賞者は誰なのかご存じだろうか? 首位打者など「打撃タイトルの最年長記録」を紹介する。

不惑の大砲のすさまじさが目立つ



南海・門田博光

 各打撃タイトルの最年長受賞記録は以下のとおり。

●首位打者……36歳

フェリックス・ミヤーン(大洋/1979年)
ウォーレン・クロマティ(巨人/1989年)
リック・ショート(楽天/2008年)

 ヤクルトの青木が挑む首位打者最年長記録は36歳。1979年にヒゲと独特の構えが特徴だったミヤーンが36歳で首位打者になり、それまで川上哲治、長嶋茂雄が持っていた日本プロ野球記録を更新。その後、1989年にクロマティ、2008年には楽天のリックが同じく36歳で受賞し、3人が並ぶ形となった。

●最多本塁打……40歳
門田博光(南海/1988年)

 最年長最多本塁打は、当時40歳だった門田博光が1988年に記録。この年は44本塁打、125打点、OPS1.062という40歳とは思えない記録を残し、これにより「不惑の大砲」と呼ばれるようになった。この不惑とは『論語』を出典とする「40歳」を意味する言葉で、1988年の流行語にも選ばれた。

●最多打点……40歳
門田博光(南海/1988年)
タフィ・ローズ(オリックス/2008年)

 最多打点は40歳での受賞が最年長。1988年の門田は、最多本塁打だけでなく最多打点も受賞。こちらの最年長記録も樹立した。それから20年後の2008年には、オリックス加入2年目のタフィ・ローズが、40歳という年齢を感じさせない活躍で打線をけん引し、最多打点のタイトルに輝いている。


巨人・ラミレス

●最多安打……35歳 ※タイトル制定以降

稲葉篤紀(日本ハム/2007)
アレックス・ラミレス(巨人/2009年)

 イチローの活躍を機に1994年からタイトルに制定された「最多安打」は、35歳での受賞が現在の最年長。2007年に受賞した稲葉は、首位打者と最多安打の2冠に輝いており、これがプロ入り13年で初の個人タイトルだった。また、ラミレスは巨人加入2年目の2009年に受賞。3割30本塁打100打点も達成しており、充実の一年だった。

●最多盗塁……35歳

福本豊(阪急/1982年)
大石大二郎(近鉄/1993年)
糸井嘉男(オリックス/2016年)

 最多盗塁は35歳での受賞が最年長。1982年に世界の盗塁王・福本豊が衰えを知らない走塁でタイトルを獲得。その福本豊の連続盗塁王記録を13年でストップさせた大石が、1993年に同じく35歳でタイトルに輝き、最年長受賞で並んだのも興味深い。また、2016年には、当時オリックスに在籍していた糸井が2人に並ぶ35歳で最多盗塁のタイトルを受賞している。

●最高出塁率……40歳

門田博光(南海/1988年)

 最高出塁率のタイトル受賞も門田博光が最年長記録を持っている。最多本塁打、最多打点、最高出塁率に輝いた門田はこの年のパ・リーグMVPにも選出。40歳でのMVP受賞も、今なお破られていないNPB記録だ。

 打撃タイトルの最年長記録を紹介したが、あらためて「門田のすさまじさ」を感じる内容だ。現在も阪神の福留孝介など40歳を超えてもプレーしている選手はいるが、ここまでの活躍となるとそう簡単ではないだろう。

 今シーズン、最年長記録更新の可能性があるのは、青木がリーグ6位の「首位打者」のタイトルだろう。現在トップはDeNAの佐野恵太で打率.342と、青木とはまだ大きな差がある。しかし、シーズンはまだ半分残っているため、今後の結果次第では逆転も可能だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM