大阪ガス・清水聖也(左)、田中誠也

 2018年の都市対抗野球大会、2019年の日本選手権大会と、2年連続優勝旗を手にしている大阪ガスが、今年は第三代表で都市対抗本戦出場権を得た。

 9月14日に行われたNTT西日本と第一代表の座を争った一戦では、2回裏二死死一、二塁の場面で酒井良樹の右前適時打で1点を先制されると、投手陣が踏ん張り切れず9得点を挙げられ、1対12で敗戦。翌々日に行われた、パナソニックとの第二代表決定戦では、初回に一死二、三塁でパナソニックの四番・片山勢三の適時二塁打で2点を先制され、相手先発の與座健人に打線が封じ込まれ、0対5と完封負けとなった。

 代表決定戦にたどり着くまでの2試合が順調だっただけに、なかなか手に入らない東京ドームへの切符を日本新薬との第三代表決定戦で奪取した直後、橋口博一監督は「とにかくホッとした。よく、予選で苦しんだチームは本戦でいいところにいくと言われているので、優勝を目指して東京ドームに行きますよ」と安堵した表情で語った。

 選手層の厚い大阪ガスだが、予選では積極的な若手選手の起用が目立った。なかでもキラリと光っていたのが、今年入社したばかりの清水聖也と田中誠也の「Wせいやコンビ」だ。

 智弁学園高から東北福祉大を経て大阪ガスに入社した清水は、オープン戦から三番として使い続けてもらえることにプレッシャーを感じながらも、「勝敗は先輩方に任せて、新人らしく思い切りプレーができました。毎試合1打席目は緊張しましたが、頼りになる先輩がたくさんいて、すごく心強かったです」と伸び伸びプレーができたという。

 5試合あった中で、3回の登板を果たし田中は、大阪桐蔭高を卒業後、立大に進学し、東京六大学通算16勝を挙げた技巧派左腕だ。

「予選は怖い、と先輩たちから聞いていましたが、第一代表決定戦からその“しんどさ”を痛感しました。個人的には若手も戦力になってこそチームに勢いがつくと思っているので、起用してもらえたことに応えなくては、と心の準備はしていました」


都市対抗出場を決めた大阪ガスナイン

 大阪ガス擁する、レベルの高い投手たちのリリーフを任されることが多かった田中だが、「予選までのオープン戦で結果が出せなかったので仕方ないですが、本当は先発がしたい気持ちが誰よりもあります。本戦までまだ時間があるので、しっかり練習を重ねて、スタメンで先発を任せてもらえるようにしていきたいです」と、予選を通して強い気持ちをアピールできたと力強く話す。

 安定した打撃力を誇るチームで、新人ながら三番という重要なポジションを任された清水は、「一、二番が良い先輩なので、絶対にチャンスで回ってくるだろうという気持ちで準備をしていました。自分たち新人は、まだチームの勝ち負けを背負えるほどの選手ではないです。だからこそ、与えられたところで目いっぱいやることを大切にしてきました。予選もプレッシャーはありましたが、東京ドームではそれ以上のプレッシャーと緊張感があると思います。そこを楽しんでやれるよう、残りの期間はしっかり練習をして、思い切り暴れたいと思います」と前を見据えた。

 初めての都市対抗野球大会予選を経験し、本戦出場権を獲得することの難しさを実感した清水と田中。大阪ガスのメンバーとして初めて挑む東京ドームでも、活躍が期待できそうだ。

豊島わかな(とよしま・わかな)
1986年12月14日生まれ。愛知県出身。2017年から日本野球連盟公式サポーターを務め、社会人野球の魅力を伝えている。

文&写真=豊島わかな