打者記録のうち、打率や本塁打、安打はフォーカスされやすく、例えば「球団最多安打を更新」「球団記録にあと〇本」などと注目されることが多い。しかし、「盗塁」は話題に上ることが少なく、球団最多記録保持者が誰なのか知らない人も多いだろう。今回は、「12球団の最多盗塁記録保持者」をまとめてみた。

懐かしい面々が並ぶ各チームの盗塁王



柴田のトレードマークは赤い手袋だった

●巨人 柴田勲(579盗塁)

 巨人の歴代最多盗塁は、巨人のV9に貢献した希代のリードオフマン・柴田勲が記録した579盗塁。この数字はNPB歴代では3位でセ・リーグでは最高記録だ。これだけの成績を残しながらも、盗塁王は6回と意外と多くない。

●阪神 赤星憲広(381盗塁)

 阪神は赤星の381盗塁がチーム最多だ。赤星は入団1年目から5年連続で盗塁王を獲得(セ・リーグ記録)したが、脊髄損傷を負ったことでキャリア9年で引退。ケガさえなければ歴代トップクラスの成績を残せただろう。

●DeNA 石井琢朗(355盗塁)

 DeNAの歴代最多は石井琢朗の355盗塁だ。石井は球界を代表するリードオフマンとして横浜打線をけん引し、1998年のリーグ優勝にも大きく貢献した。盗塁王は通算4度受賞。1998年から2000年にかけては3年連続で受賞している。

●中日 荒木雅博(378盗塁)

 中日は、昨シーズン引退した荒木雅博が残した378盗塁が最高記録。井端弘和との「アライバコンビ」など守備力の高さが特徴だが、走塁・盗塁技術にも優れ、6年連続で30盗塁以上をマークした。


広島の機動力野球をけん引した高橋

●広島 高橋慶彦(464盗塁)

 広島の最多記録保持者は、33試合連続安打の日本記録を持つ、赤ヘル軍団黄金期の切り込み隊長・高橋慶彦。球界屈指のバットコントロール技術だけでなく、福本の再来と称された走力も魅力で、リーグ最多盗塁を3度記録した。

●ヤクルト 飯田哲也(230盗塁)

 ヤクルトは1987年から2004年まで長きにわたりチームを支えた飯田哲也がトップ。特に野村克也監督時代は俊足巧打のリードオフマンとしてチームを引っ張り、優勝に貢献した。ただ、盗塁王は1992年の1度しか受賞していない。

●ソフトバンク 広瀬叔功(596盗塁)

 ソフトバンクの最多記録保持者は、南海時代に活躍した広瀬叔功。歴代2位の通算596盗塁を記録した。盗塁数は歴代最多の福本豊には及ばないが、通算盗塁成功率は.829で福本を超えて歴代トップだ。


俊足巧打を誇った西村。今季途中までオリックス監督を務めていた

●ロッテ 西村徳文(363盗塁)

 ロッテ一筋16年、現役時代は最多盗塁のタイトルを四度獲得した西村徳文がトップ。現役時代の愛称「走る将軍」を覚えているファンも多いだろう。パ・リーグ初の「スイッチヒッターの首位打者」でもある。

●楽天 聖澤諒(197盗塁)

 楽天の歴代最多記録は聖沢諒の197。聖沢は快足を武器に、2012年には54盗塁で最多盗塁のタイトルを獲得した。楽天は2005年創設で歴史が浅く、聖沢を超える選手が今後出てきてもおかしくない。

●西武 松井稼頭央(306盗塁)

 西武の通算盗塁数トップは松井稼頭央だ。西武在籍9シーズンで3度の盗塁王に輝き、1997年にはキャリアハイの62盗塁をマーク。打撃、守備、走塁のいずれもが高いレベルだった選手だ。

●日本ハム 島田誠(351盗塁)

 日本ハムは島田誠の351盗塁がチーム最多。現役時代は9年連続で30盗塁以上を記録し、そのうち1979年は自己最多の55盗塁をマーク。しかし当時のパ・リーグは福本豊が君臨していたため、1度も盗塁王になることはなかった。


盗塁の記録で数々の金字塔を打ち立てた福本


●オリックス 福本豊(1065盗塁)

「世界の盗塁王」がここに来てようやく登場。通算1065盗塁はいわずと知れた日本記録だ。シーズン106盗塁はいまだ破られることのない金字塔。大幅なルール改正がない限りは、福本を超えるのは難しいだろう。

「12球団の最多盗塁記録保持者」を紹介した。往年のスピードスターから、中日の荒木や楽天の聖澤といった最近の選手まで登場したが、中には「この選手が最多なのか」と意外に感じた選手もいるだろう。

 日本ハムの西川遥輝など、現役のスピードスターはこうしたレジェンドを超えることができるのか。今後の活躍に期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM