2015年のドラフトで巨人に1指名された桜井

 今から5年前。2015年ドラフトで指名された選手たちを見ると明暗が分かれている。高橋純平(県立岐阜商高)、平沢大河(仙台育英高)、高山俊(明大)が複数球団で競合する中、DeNAは今永昇太(駒大)、オリックスは吉田正尚(青学大)を単独指名。今永は左肩痛の後遺症が懸念され、吉田正は身長173センチと体格が大きくなかったことから各球団の評価が分かれたが、侍ジャパンでも活躍するなど球界を代表する選手に駆け上がった。一方で、高卒のドラフト1位で入団したロッテ・平沢、楽天・オコエ瑠偉は故障などもあり伸び悩んでいる。
※球団の順番はドラフトのウェーバー順


楽天・茂木栄五郎

楽天
1位 オコエ瑠偉(関東一高)
2位 吉持亮汰(大商大)
3位 茂木栄五郎(早大)
4位 堀内謙伍(静岡高)
5位 石橋良太(Honda)
6位 足立祐一(パナソニック)
7位 村林一輝(大塚高)
※育成選手
1位 出口匠(津田学園高)
2位 山田大樹(菰野高)

 地元・仙台育英の平沢大河を1位指名したが、ロッテと競合となり抽選で逃し、オコエを外れ1位で指名。だが、身体能力は高いがなかなか一軍に定着できない。3位の茂木が主力として活躍し、石橋も先発ローテーションに定着。4位の堀内、6位の足立も正捕手獲りを狙う。


DeNA・今永昇太

DeNA
1位 今永昇太(駒大)
2位 熊原健人(仙台大)
3位 柴田竜拓(国学院大)
4位 戸柱恭孝(NTT西日本)
5位 綾部翔(霞ヶ浦高)
6位 青柳昴樹(大阪桐蔭高)
7位 野川拓斗(鷺宮製作所)
※育成選手
1位 網谷圭将(千葉英和高)
2位 山本武白志(九州国際大付高)
3位 田村丈(関西学院大卒)

 今永を単独1位指名できたのが会心の成果だろう。1年目から先発ローテーションに入り、19年に13勝を挙げるなど2度の2ケタ勝利をマークしている。二遊間の高い守備能力は球界屈指の柴田、キャッチングに定評のある戸柱も一軍の戦力として稼働している。


オリックス・吉田正尚

オリックス・バファローズ
1位 吉田正尚(青学大)
2位 近藤大亮(パナソニック)
3位 大城滉二(立大)
4位 青山大紀(トヨタ自動車)
5位 吉田凌(東海大相模高)
6位 佐藤世那(仙台育英高)
7位 鈴木昂平(三菱重工名古屋)
8位 角屋龍太(ジェイプロジェクト)
9位 赤間謙(鷺宮製作所)
10位 杉本裕太郎(JR西日本)
※育成選手
1位 塚田貴之(白鷗大)
2位 赤松幸輔(四国IL/香川)

 このドラフトで最も成功したのがオリックスではないだろうか。1位指名の吉田正は確実性と長打力を兼ね備えた球界を代表する強打者に。3位の大城も俊足と広い守備範囲で不可欠な存在になり、5位の吉田凌は救援で今季大活躍。愛称「ラオウ」の10位・杉本もケガで離脱したが豪快な打撃で今季中から就任した中島聡監督代行の下、一軍に定着している。


中日・木下拓哉

中日
1位 小笠原慎之介(東海大相模高)
2位 佐藤優(東北福祉大)
3位 木下拓哉(トヨタ自動車)
4位 福敬登(JR九州)
5位 阿部寿樹(Honda)
6位 石岡諒太(JR東日本)
※育成選手
1位 中川誠也(愛知大)
2位 吉田嵩(四国IL/徳島)
3位 三ツ間卓也(BCL/武蔵)
4位 西濱幹紘(星城大)
5位 呉屋開斗(八戸学院光星高)
6位 渡辺勝(東海大)

 オリックスと同様にこのドラフトの「勝ち組」と言えるだろう。3位の木下は強肩強打で9月から正捕手の座をつかんだ。4位の左腕・福も「勝利の方程式」で強心臓ぶりを発揮して安定した投球を続けている。5位の「マスター」こと阿部も昨年に打率.291、7本塁打とブレーク。今季も不動の二塁手だ。


西武・川越誠司

西武
1位 多和田真三郎(富士大)
2位 川越誠司(北海学園大)
3位 野田昇吾(西濃運輸)
4位 大瀧愛斗(花咲徳栄高)
5位 南川忠亮(JR四国)
6位 本田圭佑(東北学院大)
7位 呉念庭(第一工大)
8位 國場翼(第一工大)
9位 藤田航生(弘前工高)
10位 松本直晃(四国IL/香川)

 1位の多和田は最速152キロの直球を武器に18年に16勝を挙げて最多勝を獲得。リーグ優勝に大きく貢献した。2位の川越は投手で入団したが、昨年に野手転向。左の長距離砲として才能開花なるか。3位の野田はタフネス左腕として18年に58試合救援登板、6位の本田は昨年に6勝を挙げている。


広島・西川龍馬

広島
1位 岡田明丈(大商大)
2位 横山弘樹(NTT東日本)
3位 高橋樹也(花巻東高)
4位 船越涼太(王子)
5位 西川龍馬(王子)
6位 仲尾次オスカル(Honda)
7位 青木陸(山形中央高)

 5位の西川は天才的な打撃センスで1年目から62試合出場で打率.294をマーク。昨年は初の規定打席に到達し、打率.297、16本塁打でリードオフマンとして牽引している。1位の岡田は17年に12勝を挙げたが昨年、今年と不調でファーム暮らしが続いている。


ロッテ・平沢大河

ロッテ
1位 平沢大河(仙台育英高)
2位 関谷亮太(JR東日本)
3位 成田翔(秋田商高)
4位 東條大樹(JR東日本)
5位 原嵩(専大松戸高)
6位 信樂晃史(宮崎梅田学園高)
7位 高野圭佑(JR西日本)
※育成選手
1位 大木貴将(四国IL/香川)
2位 柿沼友哉(日大国際関係学部)

 1位の平沢は「高校生No.1野手」と評価され、将来の主力として期待されたが、度重なる故障や課題の打撃で確実性が上がらず一軍に定着できない。4位のサイド右腕・東條は救援で右打者相手に強さを誇り、重宝されている。育成2位の柿沼も強肩と巧みなリードが武器。今季は首位争いを繰り広げるチームで出場機会を増やして貢献度が高い。


阪神・青柳晃洋

阪神
1位 高山俊(明大)
2位 坂本誠志郎(明大)
3位 竹安大知(熊本ゴールデンラークス)
4位 望月惇志(横浜創学館高)
5位 青柳晃洋(帝京大)
6位 板山祐太郎(亜大)

 ヤクルトと競合して抽選権を獲得した1位の高山は1年目に新人王を獲得したが、2年目以降は打撃で好不調の波が激しく外野の定位置をつかめない。5位の青柳は右の変則サイドで1年目から先発枠に入り、昨季は自己最多の9勝をマーク。4位の望月は190センチの長身から最速159キロの直球が武器。球の精度を磨けば登板数が増えるだろう。


日本ハム・上原健太

日本ハム
1位 上原健太(明大)
2位 加藤貴之(新日鐵住金かずさマジック)
3位 井口和朋(東京農大北海道オホーツク)
4位 平沼翔太(敦賀気比高)
5位 田中豊樹(日本文理大)
6位 横尾俊建(慶大)
7位 吉田侑樹(東海大)
8位 姫野優也(大阪偕星学園高)

 高橋純平、小笠原慎之介をクジで外して「外れ外れ1位」で指名した上原は身長190センチの長身左腕として先発定着が期待されるが、安定感がまだ乏しい。殻を破って覚醒するか。2位の加藤は先発、救援でフル回転と貢献度が高い。4位の平沼は攻守でセンスが光る遊撃手で頭角を現している。


巨人・中川皓太

巨人
1位 桜井俊貴(立命大)
2位 重信慎之介(早大)
3位 與那原大剛(普天間高)
4位 宇佐見真吾(城西国際大)
5位 山本泰寛(慶大)
6位 巽大介(岩倉高)
7位 中川皓太(東海大)
8位 松崎啄也(日本製紙石巻)
※育成選手
1位 増田大輝(四国IL/徳島)
2位 小林大誠(BCL/武蔵)
3位 松澤裕介(四国IL/香川)
4位 田島洸成(BCL/武蔵)
5位 大竹秀義(BCL/武蔵)
6位 山下篤郎(鎮西高)
7位 矢島陽平(BCL/武蔵)
8位 長谷川潤(BCL/石川)

 1位の桜井は昨季8勝とリーグ優勝に貢献したが、今季は2勝のみ。2位の重信も能力は高いのだが実戦でなかなか結果を出せない。7位の左腕・中川は救援で鉄腕ぶりを発揮して替えの利かない存在に。育成1位・増田は足のスペシャリストとして試合終盤の「切り札」になっている。


ソフトバンク・川瀬晃

ソフトバンク
1位 高橋純平(県岐阜商高)
2位 小澤怜史(日大三島高)
3位 谷川原健太(豊橋中央高)
4位 茶谷健太(帝京第三高)
5位 黒瀬健太(初芝橋本高)
6位 川瀬晃(大分商高)
※育成選手
1位 野澤佑斗(つくば秀英高)
2位 児玉龍也(神奈川大)
3位 樋越優一(東京農大北海道オホーツク)
4位 中村晨(ルーテル学院高)
5位 渡辺健史(飯塚高)

 1位で3球団が競合した「高校生No.1右腕」高橋は3年目まで苦しんだが、19年に45試合登板で17ホールドをマーク。6位の川瀬は今宮健太が故障で離脱した遊撃で出場機会を増やしている。4位の茶谷は18年オフに戦力外通告を受け、19年に育成契約でロッテに入団。同年オフに支配下昇格し、今季は一軍の試合に出場している。


ヤクルト・原樹理

ヤクルト
1位 原樹理(東洋大)
2位 廣岡大志(智辯学園高)
3位 高橋奎二(龍谷大平安高)
4位 日隈ジュリアス(高知中央高)
5位 山崎晃大朗(日大)
6位 渡邉大樹(専大松戸高)

 1位の原はDeNA・今永と大学時代にライバル関係だったが、大きく水を開けられた。万全のコンディションを取り戻せるか。5位の山崎はシュアな打撃が持ち味でレギュラー定着まであと一歩。廣岡、高橋は潜在能力が高いだけに主力として活躍が求められる。

写真=BBM