四番打者の活躍がチームの命運を握ると言っても過言ではないだろう。セリーグを独走でリーグ連覇を飾った岡本和真は今季31本塁打、97打点で初タイトルを獲得。ソフトバンクは新型コロナウイルスの影響で来日が遅れたグラシアルが四番に固定された10月以降に25勝6敗1分と破竹の勢いで白星を重ね、3年ぶりのリーグ優勝、4年連続日本一を飾った。以下は各球団の四番でスタメン出場した選手たち。各球団の四番打者の働きぶりを採点してみた。
※数字は4番で先発出場した時の成績

【巨人】90点

岡本和真 118試合出場 打率.275、31本塁打、97打点
丸佳浩   2試合出場 打率.200、0本塁打、0打点

 岡本は誰もが認める不動の四番だ。開幕から絶好調で打線を牽引。9月に腰痛で2試合欠場したため359試合連続出場でストップしたが、自身初タイトルの打撃2冠を獲得した。夏場に調子が落ちたため打率3割に届かなかったが、三冠王も十分に狙える可能性を秘めている。

【阪神】75点

大山悠輔 65試合出場 打率.290、15本塁打、50打点
サンズ  42試合出場 打率.255、9本塁打、26打点
マルテ  11試合出場 打率.250、2本塁打、5打点
ボーア   2試合出場 打率.000、0本塁打、0打点

 大山が自己最高の打率.288、28本塁打、85打点で岡本と本塁打王争いを繰り広げた。四番としても及第点を挙げられる数字だ。韓国で本塁打、打点の2冠に輝いたロハスが正式合意間近だが、大山は「不動の四番」として飛躍できるか。

【中日】65点

ビシエド   109試合出場 打率.267、17本塁打、82打点
A.マルティネス 8試合出場 打率.269、1本塁打、3打点
高橋周平    2試合出場 打率.250、0本塁打、0打点
シエラ     1試合出場 打率.000、0本塁打、0打点

 勝負強い打撃は光ったが、ビシエドの能力を考えれば物足りなさが残る数字だった。今季のチーム総得点はリーグワーストの429点。10年ぶりのリーグ優勝へ、四番・ビシエドの活躍が不可欠だ。
 

DeNA・佐野恵太

【DeNA】85点

佐野恵太  105試合出場 打率.329、20本塁打、69打点
オースティン 13試合出場 打率.319、2本塁打、8打点
細川成也    2試合出場 打率.250、0本塁打、0打点

 期待以上の活躍だ。佐野がレイズに移籍した筒香嘉智の穴を埋める活躍で首位打者を獲得した。シーズン終盤に背中の張り、左肩関節脱臼で欠場したため、来季は全試合出場で球界を代表する強打者へ。

【広島】75点

鈴木誠也 82試合出場 打率.300、18本塁打、49打点
松山竜平 29試合出場 打率.239、5本塁打、19打点
西川龍馬  8試合出場 打率.250、0本塁打、4打点
長野久義  1試合出場 打率.667、0本塁打、0打点

 侍ジャパンでも四番を担う鈴木誠也は低迷するチーム事情で、三番で34試合先発出場した。相手球団の徹底マークに遭ったが、球団初となる5年連続打率3割はさすがだ。広島が浮上するためには、鈴木が四番で機能する打線が理想だろう。

【ヤクルト】90点

村上宗隆 120試合出場 打率.307、28本塁打、86打点
 
 12球団唯一の四番で全試合フル出場。日本人では球団史上初だった。稀代の長距離砲は確実性も上がり、昨季の打率.231から大幅に上昇。チームが最下位に低迷する中、孤軍奮闘の活躍だった。今季は打撃タイトルどころか、三冠王も現実的に狙える目標だ。


ソフトバンク・グラシアル

【ソフトバンク】60点

グラシアル  39試合出場 打率.283、6本塁打、24打点
中村晃    26試合出場 打率.320、1本塁打、16打点
バレンティン 20試合出場 打率.240、5本塁打、17打点
栗原陵矢   12試合出場 打率.233、1本塁打、6打点
柳田悠岐   10試合出場 打率.371、2本塁打、5打点
デスパイネ   8試合出場 打率.303、2本塁打、4打点
長谷川勇也   3試合出場 打率.273、0本塁打、0打点
川島慶三    1試合出場 打率.500、0本塁打、1打点
上林誠知    1試合出場 打率.000、0本塁打、0打点

 12球団で最多の9人が四番でスタメン出場。新加入のバレンティンが打撃不振で調子が上がらなかったのは誤算だったが、その後は固定せず、調子の良い選手を柔軟に起用していた。三番・柳田悠岐の後を打つ四番としてグラシアルが最もしっくりくるか。

【ロッテ】55点

安田尚憲 87試合出場 打率.233、4本塁打、44打点
レアード 25試合出場 打率.250、5本塁打、13打点
清田育宏  7試合出場 打率.292、2本塁打、4打点
井上晴哉  1試合出場 打率.000、0本塁打、1打点

 四番をなかなか固定できなかったが、7月下旬から安田を抜擢。一軍で実績はなかったが、殊勲打を何度も放って2位躍進に貢献した。ただ、数字を見ればまだまだ物足りない。同期のヤクルト・村上に刺激を受け、来季は「真の四番」を目指す。

【西武】40点

山川穂高 70試合出場 打率.224、20本塁打、61打点
メヒア  22試合出場 打率.175、2本塁打、10打点
栗山巧  18試合出場 打率.180、1本塁打、11打点
外崎修汰  7試合出場 打率.222、0本塁打、1打点
中村剛也  3試合出場 打率.091、0本塁打、0打点

 山川の打撃不振が大誤算。右足首を痛めた影響もあり精彩を欠いた。四番で実績十分の中村も今季は調子が上がらず、代役を担えなかった。破壊力抜群の「山賊打線」が機能するためには、山川の復調が不可欠だ。


楽天・浅村栄斗

【楽天】85点

浅村栄斗  75試合出場 打率.279、20本塁打、70打点
島内宏明  31試合出場 打率.309、1本塁打、11打点
茂木栄五郎  8試合出場 打率.290、0本塁打、3打点
鈴木大地   4試合出場 打率.467、0本塁打、1打点
ロメロ    2試合出場 打率.000、0本塁打、0打点

 ブラッシュが打撃不振だったため、浅村がチーム最多の75試合で四番を務めた。三番でも35試合出場し、計32本塁打で自身初の本塁打王を獲得。得点力アップへ、浅村の後を打つ打者がカギを握る。

【日本ハム】70点
中田翔  116試合出場 打率.237、31本塁打、106打点
近藤健介  3試合出場 打率.600、0本塁打、1打点
西川遥輝  1試合出場 打率.250、0本塁打、1打点

 中田は本塁打王に1本届かなかったが、本拠地が広い札幌ドームだったことも差し引かなければいけない。5年ぶりの30本塁打到達も、勝負どころの9月下旬にスランプに。来季は好不調の波を少なくして、自身初の本塁打王に。

【オリックス】35点

ジョーンズ 53試合出場 打率.245、5本塁打、21打点
吉田正尚  43試合出場 打率.308、2本塁打、16打点
モヤ    11試合出場 打率.308、2本塁打、7打点
中川圭太   7試合出場 打率.160、0本塁打、1打点
ロドリゲス  3試合出場 打率.091、0本塁打、0打点
T-岡田   2試合出場 打率.167、0本塁打、0打点
西野真弘   1試合出場 打率.000、0本塁打、0打点

 メジャー通算282本塁打のジョーンズに期待がかかったが、四番として機能せず。今季打率.350で自身初の首位打者を獲得した吉田正が四番で43試合出場したが、本来は三番に固定したい。最下位からの巻き返しへ、中嶋監督はどう決断するか。

写真=BBM