今季は新型コロナウイルスの感染拡大により、異例の短縮シーズンとなった。しかし、短いシーズンながらも、珍しい記録が数多く誕生した。今回は、NPBが「達成記録」として認定しているものの中から、「今季生まれたレア記録」を振り返ってみた。

今後同様の記録が出ないかもしれない珍記録も



6月19日、開幕の阪神戦(東京ドーム)で勝利し、そこから13連勝を果たした菅野(左は原監督)

『開幕戦から13連勝』
菅野智之(巨人)

 今季の開幕投手を任された菅野は、開幕戦から勝ち続け、10月13日の広島戦(東京ドーム)で敗れるまで13連勝という大記録を達成。岩隈久志が記録した12連勝を超えるプロ新記録となった。また、「シーズン最初の登板試合からの連勝」としては、セ・リーグでは巨人の偉大な先輩である堀内恒夫と並ぶ数字だ。

『初登板、第1打者に被満塁本塁打』
津森宥紀(ソフトバンク)

 ソフトバンクのルーキー・津森は、6月21日のロッテ戦(PayPayドーム)で2番手としてプロ初登板。しかし、最初の打者であるロッテ・井上晴哉に満塁本塁打を献上してしまう。初登板で第1打者に本塁打被弾は過去にもあったが、「初登板で第1打者に満塁本塁打を打たれた」のは史上初のレア記録だ。

『13試合連続盗塁』
周東右京(ソフトバンク)

 ソフトバンクの周東が記録した「13試合連続盗塁」もNPB新記録。これまでは「世界の盗塁王」こと福本豊がマークした11試合連続が最多だったが、46年ぶりにこれを更新。残念ながら次の試合で盗塁機会が訪れず、記録は13でストップ。来季は自己記録更新を期待したい。

『イニング3盗塁』
村上宗隆(ヤクルト)

 珍しい盗塁記録はヤクルトの村上もマークしている。11月5日の阪神戦(甲子園)、2回の攻撃で出塁した村上は、二盗、三盗と連続で決めると、阪神の西勇輝が二塁にけん制している隙をついて本盗を試み、見事に成功。NPBでは通算17人目、セ・リーグでは67年ぶり3人目の珍記録だった。


今季もファンを魅了しながら堅実な守備を見せた菊池

『二塁手シーズン守備率1.000』
菊池涼介(広島)

 現役最高の二塁手と評される広島の菊池は、今季も見事な守備を披露し、なんとシーズン終了まで1度もエラーがなかった。二塁手での守備率1.000は、NPB史上初となる偉大な記録だ。その活躍により、8年連続でゴールデン・グラブ賞も受賞。二塁手での連続受賞も歴代最多となった。

『二塁手シーズン434連続守備機会無失策』
菊池涼介(広島)

 今シーズンを無失策で終えた菊池は、二塁手として「434連続守備機会無失策」という大記録も達成。最終的に503まで数字を伸ばしており、セ・リーグでは和田豊が記録した432連続を大幅に更新した。NPB記録は白井一幸の545だが、守備機会さえ増えれば更新できるだろう。

『一塁手ゲーム4失策』
マルテ(阪神)

 菊池が素晴らしい守備を披露する一方で、お粗末な守備で新記録を作った選手もいる。阪神のジェフリー・マルテだ。10月23日の巨人戦(東京ドーム)、一塁を任されたマルテはなんと1イニング3失策を記録。一塁手でのイニング3失策はセ・リーグ新記録。その後も再びエラーを記録し、「一塁手のゲーム4失策」という不名誉なNPB新記録まで作ってしまった。

『ゲーム4二塁打』
近藤健介(日本ハム)

 今季絶好調で、一時は落合博満が残した歴代最高出塁率の更新も期待された近藤。10月15日の西武戦(札幌ドーム)で、「ゲーム4二塁打」というパ・リーグ7人目のレア記録を達成している。今季はリーグ最多のシーズン31本の二塁打を放っているが、歴代最高は52本。歴代トップとは差があるが、ぜひとも更新してもらいたい。

 今季達成された、選手個人での珍しい記録を紹介した。ほかにも、チーム記録では、ソフトバンクがNPB記録を更新する月間22勝をマークしている。短縮スケジュールながら、さまざまな新記録が達成されたシーズンだった。来季は再び143試合に戻る予定だが、果たしてどのようなレア記録が飛び出すのか注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM