9回に試合を締める守護神はチームの命運を握る存在だ。勝利目前の9回に逆転負けを喫すると「ただの1敗」以上のダメージを感じる。昨季は当初予定していた守護神が機能せずに苦労した球団が多かった。今季の12球団の守護神事情を分析する。


巨人・中川皓太

・巨人
 昨季はデラロサが7月上旬に左ワキ腹肉離れで1カ月以上離脱。復帰後は守護神を務めて35試合登板で2勝0敗17セーブ5ホールド、防御率2.56をマークした。今季も救援の柱で期待されるが、新守護神に浮上するのが中川皓太。昨季は37試合登板で2勝1敗6セーブ15ホールド、防御率1.00。デラロサを上回る安定感で配置転換の可能性がある。


阪神・スアレス

・阪神
 スアレスの一択だろう。ソフトバンクから移籍1年目の昨季は開幕時にセットアッパーを務めていたが、7月中旬から守護神へ。51試合登板で3勝1敗25セーブ8ホールド、防御率2.24と安定感抜群で最多セーブ投手に輝いた。メジャー球団の評価が高かったが、昨オフに2年契約で残留。今季も不動の守護神だ。


中日・マルティネス

・中日
 安定感は「12球団随一」と評価が高いのがライデル・マルティネス。昨季は40試合登板で2勝0敗21セーブ7ホールド、防御率1.13。10月2日のDeNA戦(横浜)で球団最速の161キロを計測するなど、剛速球を武器に三振奪取能力が高い。140キロ近いスプリット、ナックルカーブも超一級品で制球もまとまっている。


DeNA・三嶋一輝

・DeNA
 長年守護神を務めていた山崎康晃が昨季は大誤算。40試合登板で0勝3敗6セーブ8ホールド、防御率5.68と精彩を欠き、中継ぎに回った。7月下旬から新守護神に抜擢されたのが三嶋一輝。48試合登板で3勝1敗18セーブ5ホールド、防御率2.45は立派な数字だ。山崎康が復権を狙うが、今季の守護神は三嶋が最有力だろう。


広島・フランスア

・広島
 昨季は新加入したスコットが開幕時は守護神を務めたが、7試合登板で0勝3敗、防御率15.75と機能せず。その後に菊池保則を据えたが不安定な投球内容でフランスアに。夏場以降に本来の状態を取り戻した。今季もフランスアの可能性が高いか。新外国人のバード、リーグ3連覇の時の守護神・中崎翔太も名乗りを上げる活躍をしたい。


ヤクルト・石山泰稚

・ヤクルト
 昨オフにFA権を行使せず、4年契約を結んだ石山泰稚で決まりだろう。昨季は44試合登板で3勝2敗20セーブ4ホールド、防御率2.01。150キロ近い直球、フォーク、スライダーのコンビネーションで走者を出しても抑える術を身に付けている。今年は防御率1点台、最多セーブのタイトルも十分に狙える。


ソフトバンク・森唯斗

・ソフトバンク
 2018年から3年連続30セーブをマークした森唯斗が今年も9回を締める。昨季はシーズン終盤からCS、日本シリーズにかけて本来の投球ができなかったが、守護神としては珍しく球種が豊富なため、多彩な投球パターンで大崩れしないのが強みだ。モイネロ、岩崎翔、泉圭輔、杉山一樹と代役を務められる投手もズラリ。


ロッテ・益田直也

・ロッテ
 昨季はソフトバンクと激しい首位争いを繰り広げた。打線に爆発力がないため、今季も救援陣が生命線になる。守護神・益田直也は昨季54試合登板で3勝5敗31セーブ5ホールド、防御率2.25。47年ぶりのリーグ1位へ、サイド右腕が今年も守護神で全うする。


西武・増田達至

・西武
 FA権を保有していた増田達至が昨オフに宣言残留したのは朗報だ。絶対的守護神は昨季48試合登板で5勝0敗33セーブ1ホールド、防御率2.02で最多セーブ投手のタイトルを獲得。シーズン無敗の最多セーブは史上3人目の快挙だった。球団新記録の通算136セーブに到達し、さらに記録を伸ばす。


楽天・松井裕樹

・楽天
 昨季は森原康平が開幕から守護神を務めたが結果を残せず。ブセニッツが46試合登板で1勝4敗18セーブ13ホールド、防御率2.86と稼働したが、できればセットアッパーで固定したい。石井一久新監督の下、先発に転向した松井裕樹が今季は守護神に戻ることが決定。通算141セーブの左腕の活躍なしではリーグ優勝は望めない。


日本ハム・秋吉亮

・日本ハム
 昨季は秋吉亮が誤算だった。33試合登板で1勝2敗12セーブ4ホールド、防御率6.37と振るわず。代役の守護神を務めた宮西尚生は50試合登板で2勝1敗8セーブ21ホールド、防御率2.05と相変わらずの安定感だが、長年投げ続けたセットアッパーが適任か。秋吉の状態次第ではセットアッパーで結果を残している玉井大翔も有力候補だ。


オリックス・ヒギンス

・オリックス
 ディクソンが昨季は開幕から守護神を務め、39試合登板で0勝4敗16セーブ5ホールド、防御率3.28。来日9年目の今季も残留が決まったが、先発に再転向する可能性が。新守護神との有力候補がヒギンス、漆原大晟。ヒギンスは来日1年目の昨季41試合登板で3勝3敗19ホールド、防御率2.40。三振奪取能力も高く、適任と言えるだろう。

写真=BBM