開幕から1カ月以上が経過したセ・リーグ。果たして、先発陣はしっかりと勝利を積み上げることはできているのか。セ・リーグ6球団の先発投手事情を見ていこう。
記録は4月30日現在

読売ジャイアンツ



巨人・高橋優貴

 開幕戦から順番に菅野智之、戸郷翔征、今村信貴、A.サンチェス、井納翔一、高橋優貴の6人で先発ローテーションをスタートさせたが、わずか1試合の登板で井納が二軍降格。代わりに畠世周が昇格した。その後、菅野2勝、戸郷2勝、今村2勝、サンチェス1勝、畠2勝、高橋5勝は、開幕1カ月時点ではまずまずの成績か。中でもプロ3年目左腕の高橋が5戦5勝、防御率1.80の安定感を見せている。緊急事態宣言による試合延期のため影響は少ないが、状態の上がらないサンチェスが4月24日に、戸郷が25日に登録を抹消。5月に入り、先発ローテ再編が予想される。

阪神タイガース



阪神・ガンケル

 今季の先発平均投球回数が6.25で先発のチーム防御率が2.38という驚異の数字を叩き出している阪神先発陣。貯金10で首位を走る一番の要因となっている。一時期は先発ローテ6人のうち5人が防御率1点台という数字も残した。この先発陣に勢いをつけたのが、初めての開幕投手となった藤浪晋太郎だった。「2年間で1勝しかしてない投手が開幕で勝ったら、チームは勢いに乗るはず」という思いの中で、藤浪自身に勝利はつかなかったがチームは開幕戦を取ると3連勝。さらに先発3番手のガンケルが負けなしの4連勝。藤浪の登録抹消で一軍昇格したチェンも4月29日の中日戦(バンテリン)で6回を投げ、今季初勝利。新人の伊藤将司も完投勝利を含む2勝負けなしと、充実の序盤戦を送っている。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト・小川泰弘

 現在3位と奮闘しているものの、先発の平均投球イニングは5.10。これはDeNAの4.78回に次いで12球団中11位の長さだ。先発防御率も4.42で、決して褒められた数字ではない。開幕投手を務めた小川泰弘に、高梨裕稔、スアレス、田口麗斗が開幕から先発ローテーションを守っているが、ただローテを守るだけではなく、6回3失点以上の投球が求められる。4月27日の巨人戦(神宮)は、連投が続いた中継ぎが崩れた。ブルペンの負担軽減のためにも、先発には長いイニングを投げてもらいたい。

広島東洋カープ



広島・九里亜蓮

 大瀬良大地、森下暢仁、九里亜蓮の三本柱に、床田寛樹、野村祐輔、中村祐太を加える形でスタートしたが、大瀬良が4月中旬に練習中に故障を発生させて登録抹消に。現在は森下が3勝、九里が3勝と、2人がカード頭の先発を担って柱と軸となっているが、そのほかは床田が1勝から伸びず、残りの3人はとっかえひっかえとなって苦しい台所事情になっている。高橋昂也がトミー・ジョン手術から復活して勝利を挙げる明るいニュースもあったが、その高橋昂に加えて野村あたりが安定してこないと、貯金を増やしていくのは簡単ではないだろう。ファームと行ったり来たりになっている昨季5勝の遠藤淳志の奮起も望みたいところだ。

中日ドラゴンズ



中日・勝野昌慶

 開幕先発ローテーションは次の6人だった。開幕投手の福谷浩司、エースの大野雄大、リーグトップの奪三振数を誇る柳裕也、復活を期す小笠原慎之介、3年目の勝野昌慶、ベテランの松葉貴大だ。4月を終えて30試合、この6人以外で先発マウンドに立った投手はいない。左右のエース、大野雄大と柳裕也は打線の援護に恵まれずに勝ち星こそ伸びないものの、抜群の安定感で先発陣を支えている。勝ち頭は3勝で勝野。強気なピッチングが光るが、もう少し長いイニングを投げたいところだ。6人の中から松葉が登録抹消となったが、それでも首位を走る阪神の先発6人衆に比べ、決して見劣りしない先発陣だ。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA・濱口遥大

 4月29日の広島戦(マツダ広島)で先発した濱口遥大が7回3失点の力投で今季初勝利。開幕投手を務めた12球団の投手では、最後の勝利者となった。濱口をはじめ、昨季2ケタ勝利の大貫晋一などここまで先発投手が試合をつくれずに、先発陣の状態が最下位に沈むチーム順位に反映されている。開幕先発ローテーションを務めた平良拳太郎、上茶谷大河、入江大生はケガ、不調で登録を抹消されており、現在は濱口、大貫、京山将弥、坂本裕哉、阪口皓亮らがローテを回す。明るい材料もある。新助っ人・ロメロ、手術からの復活を期す今永昇太がそれぞれファームで好投。2投手の一軍合流が待たれる。

写真=BBM