ともに他球団から移籍



巨人・鍵谷(左)、高梨

 首位・阪神と最大8.5ゲーム差まで開いたが、巨人は底力がある。6月は月間成績12勝7敗3分けと大きく勝ち越し、7月8日現在(以下同)で2.5ゲーム差まで接近した。エース・菅野智之が1日に今季4度目の登録抹消をされるなど万全の状態と程遠い中、救援陣の踏ん張りが光る。

「セットアッパーの中川皓太が左ろっ骨の骨折が判明で戦線離脱、昨季の守護神・デラロサも本調子でない中、高梨雄平と鍵谷陽平の頑張りが目立ちます。先発が降板した試合中盤、終盤の勝負所できっちり抑えているから、チームが白星を積み重ねられている。ここまでの貢献度を考えると、『陰のMVP』と形容してもおかしくないです」(スポーツ紙遊軍記者)

 変則左腕の高梨は昨年7月14日にトレードで楽天から移籍。週刊ベースボールの取材に、「移籍はポジティブじゃない理由はない。どこの球団でやるにしても、僕のやることは変わらないですし、トレードに関しては場所が変わるからネガティブになることはないので。純粋に『優勝するための力になってほしい』と言われて、一選手として意気に感じましたし、熱量が上がるものがありました。少しでも力になれたのなら、こんなにうれしいことはありません」と新天地への移籍を前向きにとらえていた。


貴重な左腕として巨人リリーフ陣で存在感を発揮している高梨

 44試合登板で1勝1敗2セーブ21ホールド、防御率1.93とリーグ連覇に大きく貢献。6日の中日戦(前橋)ではリリーフに失敗したが、今季も勝利の方程式を担い、32試合登板で2勝1敗1セーブ15ホールド、防御率2.29の好成績をマークし、監督推薦で初の球宴出場が決まった。第2戦が古巣・楽天の本拠地・楽天生命パークで開催されるため、「お世話になった仙台で開催ということで、この上ない幸せを感じています」と喜びを口にした。

 鍵谷も他球団からの移籍組だ。19年6月に日本ハムからトレードで加入。キレのある直球にスライダー、フォークを織り交ぜて打者を打ち取る。ピンチの場面でも動じず、高いパフォーマンスを発揮できる強心臓が大きな武器だ。昨季はチーム最多の46試合に登板し3勝1敗13ホールド、防御率2.89と活躍。今季もチーム最多の35試合登板で2勝0敗1セーブ13ホールド、防御率2.55とタフネスぶりを発揮している。

大きい五輪ブレーク



チームに流れを呼び込む投球を見せる鍵谷

 他球団のスコアラーは鍵谷についてこう分析する。

「特別すごい球があるわけではないが、投げミスが少ない。日本ハム時代は好不調が激しかったが、巨人に移籍して年々安定感が増している。打者を打ち取る術を覚えて一皮むけた感じがします。接戦の展開で鍵谷に抑え込まれ、流れを引き寄せられなかった試合は少なくない。鍵谷がいなかったら巨人はこの位置にいないと思います」

 今日から敵地・甲子園で阪神との首位攻防3連戦になるが、当然両投手がカギを握るだろう。高梨、鍵谷が登板する機会が増えれば勝機は拡大する。もちろん登板過多も懸念されているが、今年は東京五輪の開催により、7月19日から8月12日までプロ野球は中断期間になる。この4週間でリフレッシュを含めてコンディションを整えられるのは大きい。「縁の下の力持ち」は荒れたマウンドで勝負の分岐点を託される。阪神との熾烈な首位争いを勝ち抜くために、高梨、鍵谷の存在は欠かせない。

写真=BBM