セパで首位打者を走るDeNA・佐野(左)、オリックス・吉田正

 現在、セ・リーグ、パ・リーグの打率ランキングでトップに立つのが佐野恵太(DeNA)と吉田正尚(オリックス)。2人は昨季も首位打者のタイトルを獲得しており、後半戦もこの勢いを維持できれば「2年連続首位打者」も期待できる。では、過去に「連続首位打者」になった選手は何人いるのだろうか?

連続首位打者は過去に15人いる


 1リーグ時代を含め以下の15人が「連続首位打者」に輝いている。

呉昌征(巨人/1942〜1943年)
大下弘(東急/1950〜1951年)
与那嶺要(巨人/1956〜1957年)
長嶋茂雄(巨人/1959〜1961年)
ジャック・ブルーム(近鉄/1962〜1963年)
江藤慎一(中日/1964〜1965年)
張本勲(東映/1967〜1970年)
王貞治(巨人/1968〜1970年、1973〜1974年)
落合博満(ロッテ/1981〜1983年、1985〜1986年)
ランディ・バース(阪神/1985〜1986年)
正田耕三(広島/1987〜1988年)
アロンゾ・パウエル(中日/1994〜1996年)
イチロー(オリックス/1994〜2000年)
鈴木尚典(横浜/1997〜1998年)
小笠原道大(日本ハム/2002〜2003年)

 長嶋や王、張本、落合、イチローとそうそうたるメンツが並ぶ。特に、イチローは1994年から2000年まで7年連続での首位打者。7度の首位打者獲得は張本と並んでタイ記録だが、7年連続はアンタッチャブルレコードだ。また、助っ人では中日のパウエルによる「3年連続」が最多。助っ人による3度の首位打者は、三冠王バースやシーズン最多安打を記録(後に秋山翔吾が更新)したマット・マートンも達成できなかった。


2003年、最後の連続首位打者に輝いた日本ハム・小笠原

 過去には偉大なレジェンドが達成してきた「連続首位打者」だが、小笠原を最後にセ・パともに達成した選手は出ていない。最近では、2018年首位打者のダヤン・ビシエド(中日)が翌2019年に打率2位、2017年首位打者の秋山翔吾(当時は西武)が2018年に打率2位と、連続獲得まであと一歩まで迫ったが、記録達成には至らなかった。もし、佐野か吉田のどちらかが首位打者となれば、小笠原以来18年ぶりの記録。また、セ・リーグに関しては鈴木以来23年ぶりの連続首位打者誕生となる。

セ・パともに同じ選手が連続首位打者になったケースは?


 佐野と吉田がともに今季の首位打者になれば、両リーグで「連続首位打者」が生まれることになる。では、過去に「セ・パ同時に連続首位打者」は何度記録されたのだろうか?

 最初に「セ・パ同時に連続首位打者」が記録されたのは1969年。セ・リーグは王、パ・リーグは張本が2年連続で首位打者に輝いた。両者は1970年も首位打者のタイトルを獲得。セ・パともに「3年連続で同一選手が首位打者」という、偉大な記録がいきなり誕生した。

 次に、「セ・パ同時に連続首位打者」が生まれたのは1986年。セ・リーグはバース、パ・リーグは落合が「2年連続で三冠王」になったため、連続首位打者の記録も同時に達成した。「セ・パ同時に連続首位打者」も、この時点でNPB史上2例目というレアな記録。しかし、「セ・パともに2年連続で三冠王」というとんでもない記録の前には、かすんで見えてしまっただろう。


1996年、3年連続首位打者に輝いた中日・パウエル

 1996年には、「3年連続でセ・パ同一選手が首位打者」が再び記録された。セ・リーグはパウエル、パ・リーグはイチローが3年連続で首位打者となり、王と張本に続いて2例目の「セ・パ3年連続で同一選手が首位打者」となった。先述のように、イチローは2000年まで7年連続で首位打者に君臨し続けたが、パウエルは左ヒザの負傷もあり1997年限りで中日を退団し阪神へ。「4年連続でセ・パ同一選手が首位打者」という前人未踏の記録達成とはならなかった。

 パウエルの連続首位打者は3回で止まるが、今度は横浜の鈴木尚典が1997年、1998年と連続で首位打者のタイトルを獲得。この間、パ・リーグはイチローが首位打者に立ち続けていたため、4度目の「セ・パ同時に連続首位打者」が記録されることになった。

 もし、佐野と吉田が2年連続首位打者を獲得した場合、16人目、17人目の連続首位打者達成となる。また、同時に「王・張本」「バース・落合」「パウエル・イチロー」「鈴木・イチロー(くしくもイチローの本名になる並び)」に続く、5例目の「連続でセ・パ同一選手が首位打者」も達成することになる。

 偉大な記録に挑む佐野と吉田。前半戦好調だった両者は、果たして今後どのようなバッティングを見せてくれるのか、ぜひ注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM