出塁率と長打率を足し合わせた値である「OPS(On-base plus slugging)」は、打者の得点への貢献を表す指数で、打者を評価するために近年重要視されている指標だ。数値が高いほど、その選手がチームの得点に貢献していることになり、OPS1.000を超えるようであれば、相当な貢献を果たしているといえる。ただし、OPS1.000はそう簡単に超えられるものではない。では、シーズンOPSが1.000以上を記録したことのある現役選手には誰がいるのだろうか?

セ・リーグのほうがOPS1.000超え経験者が多い



昨季まで3度、シーズンOPS1.000超えを果たしている山田

 シーズンOPSが、1.000を超えたことのある現役選手(規定打席到達のみ)を調べ、以下にまとめてみた。まずはセ・リーグ所属の選手から。

●セ・リーグ
丸佳浩(巨人):1.096(2018年)※記録時は広島所属
山田哲人(ヤクルト):1.027(2015年)、1.032(2016年)、1.014(2018年)
村上宗隆(ヤクルト):1.012(2020年)
福留孝介(中日):1.005(2003年)、1.020(2005年)、1.091(2006年)
鈴木誠也(広島):1.015(2016年)、1.057(2018年)、1.018(2019年)
ネフタリ・ソト(DeNA):1.008(2018年)

 セ・リーグにはOPS1.000超え経験者が6人。NPB最年長の福留孝介は、MLB挑戦前に3度記録。山田哲人は、トリプルスリーを達成した年のすべてでOPS1.000を超えた。丸は広島時代の2018年に記録しており、この年2年連続でのリーグMVPに輝いた。また、広島の鈴木も、山田、福留と並んでOPS1.000超えを3度達成している。若手随一のスラッガー、村上宗隆は最高出塁率のタイトルを獲得した昨季にOPS1.000超え。今季も.954と高い数字を残しており、2年連続での1.000超えも期待される。

●パ・リーグ
柳田悠岐(ソフトバンク):1.101(2015年)、1.016(2017年)、1.092(2018年)、1.071(2020年)
バレンティン(ソフトバンク):1.234(2013年)、1.007(2014年)※記録時はヤクルト所属
中村剛也(西武):1.010(2009年)

 パ・リーグは3人とセ・リーグの半分しかいない。このうち2人がソフトバンク所属。柳田は現役最多の4度のOPS1.000超えを記録している。バレンティンはヤクルト時代に2度記録。それ以外では西武の中村が2009年に記録したのみ。オリックス、ロッテ、楽天、日本ハムは長らくOPS1.000超え選手は出ておらず、オリックスに至っては1989年の門田博光以来出ていない。イチローも最高は.999で、OPS1.000を超えることはできなかったのだ。

通算1.000超えは王貞治のみ



4000打数以上でOPS1.000超えは“世界の本塁打王”の王のみ

 シーズンOPSの歴代トップは、王貞治が1974年に記録した1.293。現役で最も近いのはバレンティンの1.234で、これは歴代では落合博満に次いで5位となる。歴代Top10入りをするには1.200を超えないといけないが、果たしてそれほどのOPSを残せる選手は今後出てくるのだろうか?

 また、4000打数以上で、通算OPSが1.000を超えているのは王ただひとり。松井秀喜、落合博満といった日本トップのバッターや、アレックス・カブレラ、タフィ・ローズのような強打を武器に長くNPBで活躍した助っ人も1.000は超えていない(3000打数未満であればバースなどが1.000を超えているが……)。

 現役で通算OPS1.000超えの期待がかかるのがソフトバンクの柳田。前半戦終了時で3761打数、通算OPSは.978となっている。今後の成績次第で1.000超えも夢ではないが、もしこの数字を維持したまま4000打数に到達した場合でも、通算OPSは落合に次ぐ歴代5位となる素晴らしい成績だ。

 前半戦終了時点の打撃成績を見ると、OPS1.000超えているのはDeNAのタイラー・オースティンのみ。やはりOPS1.000超えはそう簡単ではない。しかし、打撃好調のオリックス・吉田正尚も.989で、さらに調子が上がれば1.000を超えてくる可能性もあるだろう。後半戦は、こうした強打者のOPSにも注目してみてはいかがだろうか。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM