新型コロナウイルス感染拡大の影響で120試合制となった昨季は大島洋平(中日)が146安打でタイトルを獲得した。リーグで最も安打を放った男。前半戦終了時点でセ・リーグ各球団の「最多安打男」は果たして誰なのだろうか?
記録は前半戦終了時

読売ジャイアンツ



巨人・岡本和真

岡本和真 85安打

 坂本勇人、梶谷隆幸、丸佳浩にZ.ウィーラーと、主力がケガ、不調、新型コロナウイルス感染などでたびたび戦列を離れる中、開幕から全試合で四番に座る岡本和真がコンスタントに安打を積み重ねている。前半戦終了時点で85安打はセ・リーグ6位。“安打”としたが、そのうち27本は本塁打(リーグトップ)で、長打率は.573(2位)。80打点は2位の山田哲人(ヤクルト)に15打点差のトップだ。序盤戦は打率が上がってこなかったが、6月の月間打率.291、7月は.316と暑さとともにアベレージも上昇。阪神を逆転しての3連覇へ、後半戦も主砲のバットに掛かる期待は大きい。

阪神タイガース



阪神・近本光司

近本光司 100安打

 84試合を終わった時点でチーム最多の100安打を放っているのは近本光司だ。佐野恵太(DeNA)の109安打に続くリーグ2でもある。一番打者として全試合に出場。しかし3、4月は29試合で26安打のみと不振に陥っていた。それでも5月に入ると19試合で26安打と復調。その後も好調を維持している。好調のバロメーターはいかに三振が少ないか。不調だった3、4月の17三振に対し、5月以降は12三振だった。積極的に振っていくタイプだけに、バットに当てている間はヒットの数も増えていくはずで、その好調が続けば、リーグ優勝へ大きく貢献することは間違いない。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト・塩見泰隆

山田哲人&塩見泰隆 79安打

 山田哲人と塩見泰隆が、79安打で並んでいる。今季から主将に就任した山田は、三番に座って25本塁打、チームトップの65打点をたたき出す。昨季はコンディション不良による不調もあったが、見事に復活。山田が四番・村上宗隆、五番・オスナの前にいることで、相手投手は強打者たちと勝負を避けることができなくなった。主将として、背中とバットで見事にチームを引っ張っている。塩見は、主に一番打者として打線を牽引。長打も盗塁もあり、意外性もある。得点圏打率.344も頼もしい数字だ。下位打線でつくったチャンスを中軸へつなぐ、ビッグイニングの火付け役にもなっており、山田と塩見のチーム最多安打コンビの活躍が、前半戦Aクラスに貢献したことは間違いない。

中日ドラゴンズ



中日・大島洋平

大島洋平 99安打

 わずかに100安打には届かないが、99安打で大島洋平がトップだ。巧みなバットコントールで左右に打ち分け、コンスタントに安打を積み重ねている。しかも今年36歳と大ベテランと呼んでもいい年齢だから恐れ入る。ただし前半戦で一番印象的な場面は安打ではなく本塁打だ。6月3日のロッテとの交流戦(バンテリン)。3対3の同点で迎えた8回裏、二死走者なしから右翼スタンドに放り込んだ。大島の決勝アーチでチームは今季初の4連勝。前半戦唯一の本塁打は値千金の一発だった。2年連続最多安打のタイトルを獲得中で今年は3年連続を狙っている。チーム事情で前半戦終盤から慣れ親しんだ一番ではなく三番に座っているが、特に問題はない。何番であろうと常に状況に応じたバッティングをできるのが大島の持ち味だ。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA・佐野恵太

佐野恵太 109安打

 前半戦を終えて打率.328でリーグトップにつける佐野恵太が109安打を放ち、こちらもリーグ最多の好成績を残している。昨年に引き続き開幕から四番に座るも、打点が伸びずに5月からは三番に打順を代えている。一時、低迷した得点圏打率も徐々に上向いてきた。昨年、首位打者のタイトルを奪った巧みなバットコントロールは健在。4月以降は安定して月間打率3割以上をキープ。7月は11試合で打率.405と好調だった。今季は2年連続の首位打者に加えて、最多安打の打撃タイトル2冠を射程圏にとらえる。

広島東洋カープ



広島・菊池涼介

菊池涼介 83安打

 広島では、チーム82試合中73試合に出場し、83安打の菊池涼介がチーム最多安打だ。今季も開幕は定位置の二番でスタートし、3月30日の阪神戦(マツダ広島)で、両軍唯一の得点となる適時打を放つなど活躍。田中広輔の不調もあり、好調な打撃を買われて4月7日から一番に座った。6月20日までセ・リーグの打率トップを走り、先頭打者弾を3本放つ(4月9日巨人戦=マツダ広島、16日中日戦=バンテリン、6月13日オリックス戦=京セラドーム)など、高い出塁能力とパンチ力を併せ持つリードオフマンとして、打線を引っ張った。前半戦最後の7月12日以降は下位打線に回ったが、東京五輪を経て戻ってくる後半戦はどのような起用になるか。

写真=BBM