左からヤクルト・奥川恭伸、ロッテ・佐々木朗希、オリックス・宮城大弥

 今季活躍が目立ったのは、高卒2年目の投手たちだ。オリックス・宮城大弥は13勝と大ブレークして25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。1年目は実戦登板がなかったロッテの最速163キロ右腕・佐々木朗希も一軍デビューを飾り、楽天と対戦したクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは初戦の先発を託され、チームを勝利に導く快投を見せた。ヤクルト・奥川恭伸も9勝を挙げると、CSファイナルステージ初戦の巨人戦でもプロ初完投初完封をマーク。3投手はチームに不可欠な存在になった。あなたが選ぶ「No.1投手」は誰だろうか。

急成長を果たし屈指の安定感



変化球の精度が高まった佐々木朗

・佐々木朗希(ロッテ)
※今季成績11試合登板、3勝2敗、防御率2.27
※通算成績11試合登板、3勝2敗、防御率2.27

 その成長曲線は想像を超えている。1年目の昨季は体力づくりに専念したため一、二軍の実戦登板はなし。2年目の今季は満を持して5月16日の西武戦(ZOZOマリン)で一軍デビューを飾り5回4失点で降板。150キロを常時超える直球でまばゆい才能を見せたが、変化球の精度がまだ高いとは言えずフィールディングも改善点が多い。課題は山積みのように見られた。だが、中10日以上の登板間隔を空けて登板を重ねることで、すごみを増していく。

 フォーク、スライダーの精度が上がり、制球力も良くなる。連打を浴びるケースが少なくなり、先発陣の中でも屈指の安定感を誇るように。優勝争いが佳境を迎え、登板間隔を詰めた10月の月間成績は3試合登板で1勝0敗、防御率0.47。19回で27奪三振とデビュー戦から短期間で見違えるような姿に成長した。首脳陣の信頼を勝ち取り、今月6日のCSファーストステージ初戦・楽天戦(ZOZOマリン)に先発。プロ入り後の実戦で最速となる159キロをマークし、6回10奪三振1失点の快投でファイナルステージ進出につなげた。

球界を代表する左腕になれる逸材



25年ぶり優勝の立役者となった宮城

・宮城大弥(オリックス)
※今季成績23試合登板、13勝4敗、防御率2.51
※通算成績26試合登板、14勝5敗、防御率2.65

 この世代で大ブレークした筆頭格だろう。今季は開幕から先発ローテーションに入ると、順調に白星を重ねた。6月9日の巨人戦(京セラドーム)では7回1安打1失点で、自己最多の13奪三振をマーク。8月終了時点で11勝1敗、防御率1.99と驚異の安定感で、尊敬するエース・山本由伸と最多勝争いを演じた。140キロ後半の直球は球速以上のキレがあり、スライダー、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球も精度が高い。打者を見て投げられる洞察力が最大の武器で、緩急自在の投球はプロ2年目とは思えない熟練された芸術品だ。宮城の活躍がなければ、前年最下位から25年ぶりのリーグ優勝は実現しなかっただろう。

 早川隆久(楽天)、伊藤大海(日本ハム)とハイレベルな新人王争いを繰り広げていたが、白星、防御率で両投手を上回り最有力候補と見られる。先発の柱として信頼を勝ち取り、未来は明るい。オリックスの枠を超え、球界を代表する左腕になれる逸材だ。

6年ぶりの優勝に貢献した右腕



7月以降、安定感が増した奥川

・奥川恭伸(ヤクルト)
※今季成績18試合登板、9勝4敗、防御率3.26
※通算成績19試合登板、9勝5敗、防御率3.62

 今から2年前。佐々木朗希と双璧で「高校No.1右腕」と評価が高かった奥川恭伸にドラフト1位で巨人、阪神と競合し、就任まもないヤクルト・高津臣吾新監督が当たりクジを引き当てた。「ヤクルトのエースはもちろん、日本を代表するピッチャーになってほしいと思います。2日前に公言したときからスワローズのユニフォームを着て、神宮で投げる姿を想像していました。一緒に頑張りましょう」と笑顔で呼びかけたが、奥川はその期待に応える成長で今季9勝をマーク。6年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。

 昨季はシーズン最終戦の広島戦(神宮)でプロ初登板初先発も3回途中5失点KO。プロの洗礼を浴びたが、今季は直球の球威が増してスライダー、フォークも精度が上がったことから7月以降は安定感がグッと上がった。高津監督の方針で中10日の登板間隔を最後まで守ったことから、疲労も抜けて高いパフォーマンスを維持。実績十分の小川泰弘、石川雅規を押しのける形で、巨人とのCSファイナルステージの初戦の先発に抜擢されると、98球でプロ初完投初完封をマーク。CSで20歳6カ月の完封勝利は史上最年少の快挙だった。

写真=BBM