今季はオリックスが25年ぶりの優勝を果たして幕を閉じたペナントレース。山本由伸、宮城大弥らを擁する先発陣がしっかりと結果を残したのが大きかった。そのオリックスを含め、パ・リーグ6球団の先発陣はどのような働きを見せたか。各球団の先発陣を100点満点で採点した。

オリックス・バファローズ



オリックス・山本由伸

オリックス 90点

 打線との兼ね合いもあるが、今季の最大連敗4が仕事を果たしたことを物語る。エース・山本由伸が自身15連勝の18勝、高卒2年目の宮城大弥が前半戦だけで9勝を挙げての13勝と、左右のWエースが大両輪の働きをしたことは言うまでもないが、打線が湿りつつあった優勝への正念場の終盤に田嶋大樹、山崎福也の両左腕、23歳の右腕の山崎颯一郎も奮闘。強固な先発ローテを形成したことが、安定した戦いを呼んだ。山岡泰輔が故障離脱し、6枚目に苦労した感は否めないが、竹安大知、増井浩俊に救援陣もカバーしてゲームメーク。まさに“全員で勝つ!!”を体現する奮闘ぶりだった。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・小島和哉

ロッテ 50点

 早々に逆転を許すなど先発陣の不安定さは否めなかった。チーム総被弾はリーグワーストの147と一発に泣いた試合も多くリズムをつかめず。勝ち継投を含めた救援陣が盤石だけに、ゲームメークは果たしたいところだった。ただ終盤には光が差したのも確か。小島和哉が2完封を含む3完投と一皮むけ、高卒2年目の佐々木朗希も150キロ台後半のストレートに、落差の異なるフォークを操るなど、“左右の柱”として奮闘。新人右腕・河村説人も落ち着いたマウンドさばきで、先発起用された7月から5度の登板は、すべて試合をつくった。途中補強したロメロの帰国もあったが、シーズン序盤から先発陣が機能すれば、戦いも安定したはず。課題と収穫がはっきりしたシーズンだった。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・田中将大

楽天 65点

 実績では12球団屈指の布陣だったが、それだけで通用するほど甘い世界ではなかった。則本昂大は11勝5敗とエースらしい働きを見せたものの、「先発4本柱」と呼ばれたほかの3投手は苦しんだ。昨季最多勝の涌井秀章は6勝8敗、ベテランの岸孝之は9勝10敗、そして8年ぶり古巣復帰の田中将大は4勝9敗。この3人で「8」の借金を背負うのは、石井一久GM兼任監督にとっても予想外だったはずだ。2年目の滝中瞭太が初の2ケタとなる10勝5敗、ルーキー左腕の早川隆久が9勝7敗の成績を挙げたのは数少ない光明。来季へ向けて、先発陣は立て直しを迫られる部分となる。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・千賀滉大

ソフトバンク 40点

 毎年、離脱者に悩まされる先発陣だが、今季も開幕から先発ローテーションを守ったのは石川柊太のみ。その石川もなかなか安定した登板を続けることができず、全体的に苦しんだ。前半戦は何と言ってもエース・千賀滉大を欠いたことが打撃に。開幕先発ローテ組の高橋礼をはじめとして調子の上がらない選手も多く、5月合流ながら7勝を挙げたN.マルティネス、7月12日の楽天戦(PayPayドーム)でノーヒットノーラン目前の快投を見せたC.レイの新助っ人右腕がいなければ情勢はもっと厳しいものになっていた。後半戦は千賀が巻き返しを図って6年連続2ケタ勝利に到達したものの、シーズン防御率1.60のマルティネスの勝ちが伸びなかったことは、今季のチームのちぐはぐさを象徴していると言えよう。来季に向けては、藤本博史新監督が先発、中継ぎの“大シャッフル”を示唆。1年間先発ローテを守れる人材を1人でも多く育てたい。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム・伊藤大海

日本ハム 70点

 今季は先発三本柱をきっちり確立できた。エース・上沢直之はキャリアハイの12勝を挙げ防御率2.81はリーグ3位。ドラフト1位ルーキー・伊藤大海も2ケタの10勝、リーグ4位の防御率2.90をマークした。ショートスターターなどさまざまな起用法に対応してきた左腕・加藤貴之は、プロ6年目での初完投初完封を含む6勝を挙げ、1年間先発ローテーションを守り切った。先発三本柱の安定感は抜群でこの3人でチーム勝利数の半分以上を挙げている。プロ2年目の立野和明が4勝を挙げ台頭したのも明るい話題。開幕直前まで先発ローテが決まらない危機的状況だったが、終わってみればエース・上沢を大黒柱に先発防御率はリーグ3位の3.42、大健闘したといえる。

埼玉西武ライオンズ



西武・高橋光成

西武 35点

 高橋光成、松本航、今井達也の先発3枚はそれぞれ自己最多の11勝、10勝、8勝をマーク。しかし、シーズンを通して抜群の安定感を発揮したわけではない。その要因の一つは四球の多さだろう。今井は99四球、松本は64四球、高橋は62四球とリーグワースト1、2、3をこの3人で占めてしまった。当然、先発陣の四死球394もリーグ最下位。制球力を上げることが先発陣の課題だ。そのほか、開幕先発ローテーションに入っていた平井克典、浜屋将太は途中で脱落。ニール、ダーモディの外国人も結果を残せず。先発陣の平均投球回5.45、防御率4.16もリーグ最下位の結果に。先発左腕の勝ち星もわずか2勝。来季は今秋ドラフト1、2位で指名した即戦力左腕・隅田知一郎(西日本工大)、佐藤隼輔(筑波大)に期待がかかる。シーズン終盤に先発ローテに入り、4勝を挙げた渡邉勇太朗も来季の光明か。

写真=BBM