今季はヤクルトが6年ぶりの優勝を果たして幕を閉じたペナントレース。ヤクルトのチーム最多勝は9勝だったが、伸び盛りの若手が力を発揮したことも大きかった。そのヤクルトを含め、セ・リーグ6球団の先発陣はどのような働きを見せたか。各球団の先発陣を100点満点で採点した。

読売ジャイアンツ



巨人・高橋優貴

巨人 40点

 3連覇を逃した要因は多々あるが、先発投手陣もその1つと言わざるを得ない。優勝した過去3年と比較すると、2019年が52勝40敗(貯金12)で防御率3.83、20年が51勝34敗(貯金17)で防御率3.20に対し、今季は44勝51敗(借金7)で防御率3.79と、ほぼすべての数字で悪化している。エース・菅野智之がコンディション不良などの影響で6勝にとどまったのが大きな誤算。3年目左腕の高橋優貴が11勝を挙げてチーム勝ち頭も、そのうち9勝が前半戦で挙げたもので、後半戦は勝ち星を伸ばせず、早い回での降板も目立った。それは戸郷翔征も同じで、初の2ケタ勝利にあと1勝としながら足踏み。大台に届かなかった。9月以降は先発5人体制が勝利に結びつかず。来季に向けて整備が急務だ。

阪神タイガース



阪神・青柳晃洋

阪神 80点

 13勝6敗で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した青柳晃洋。新人で10勝7敗の成績を収めた伊藤将司に、2年連続2ケタ勝利(10勝7敗)の秋山拓巳と3人の2ケタ勝利投手が生まれた。そこに来日2年目で変化自在の投球を見せたガンケルが9勝3敗と4人の先発陣は安定していた。しかし、エースの西勇輝が6勝9敗と負け越し。開幕投手を務めた藤浪晋太郎が先発ローテーションに定着できず、終盤にケガから復帰した高橋遥人が4勝のみ。もし高橋が開幕から先発ローテに入り、藤浪もローテをしっかり守れていたら……。また若手でチャンスをもらった新人の村上頌樹が結果を残せなかったのは残念だった。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト・奥川恭伸

ヤクルト 75点

 2019、20年とチーム防御率は2年連続で12球団ワースト。特に19年、先発陣だけの防御率は5.05で、5点台は12球団で唯一と壊滅状態だった。昨季も先発防御率は4.83で12球団中11位の数字(西武が4.87でワースト)。しかし、今季の先発防御率は3.63と、劇的に改善。やはり奥川恭伸の活躍が大きいが、残した数字以上に「奥川に負けられない」と周囲が奮起したことが、全体の底上げにつながった。2ケタ勝利を挙げた先発はいないものの、多くの先発が5勝前後を手にして優勝。先発の駒はそろいつつあるだけに、来季以降への期待もふくらむ。

中日ドラゴンズ



中日・柳裕也

中日 80点

 柳裕也と小笠原慎之介はシーズンを通して先発ローテーションを回り、柳は最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。チームトップの11勝を挙げた。小笠原も6年目にして初の規定投球回に到達。エースの大野雄大は7勝11敗と大きく負け越したものの、防御率はリーグ3位の2.95。この三本柱で26勝は少ないが、物足りなかったのは打線の援護だったとも言えるだろう。開幕投手を務めた福谷浩司は5勝止まりで終盤に戦線離脱。左の松葉貴大はその終盤に活躍して6勝をマーク。序盤は勝野昌慶、梅津晃大ら若手先発陣にも期待がかかったが、思うようにはいかなかった。先発陣の防御率は3.37。リーグトップのチーム防御率3.22を下回り、阪神に次いでリーグ2位の数字となるが、それでも十分に合格点は与えられる。

広島東洋カープ



広島・九里亜蓮

広島 70点

 先発投手の防御率を見ると、リーグ5位の3.99であり、あまりいい点数は上げられないが、平均投球回5.76は、投手力に定評のある阪神、中日に次ぐ3位。勝利数は47(リーグ3位)と最多勝投手の九里亜蓮を擁する割には少ないが、チームが新型コロナ禍に襲われた直後の交流戦で先発投手の勝利数が0だったことを考えれば、それ以外の局面ではむしろ頑張ったともいえる。今季はクローザーの栗林良吏の前でバトンがつながらないケースが多かったが、九里、大瀬良大地、森下暢仁の3本柱を中心に、後半力を発揮した床田寛樹、玉村昇悟と、クオリティースタート率は安定しており、来季、セットアップが改善されれば一気に成績を上げる可能性もある。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA・大貫晋一

DeNA 30点

 先発防御率はリーグワーストの4.34、2年連続で規定投球回数に到達した投手がゼロ、大貫晋一の6勝がチーム最多では厳しい採点をせざるを得ない。開幕先発ローテーションを担った平良拳太郎、上茶谷大河らが故障や不調で先発陣は早々に崩壊。チームの連敗を招いた。6月にはロッテから有吉優樹を先発候補としてトレードで獲得したが状況は変わらず、開幕投手を務めた濱口遥大が孤軍奮闘も、フルシーズンを投げ抜くことはできなかった。それでも後半には左肩手術明けの今永昇太、序盤の不調から復活した大貫、助っ人右腕・ロメロが計算できる存在に。トミー・ジョン手術から復帰の東克樹も加わり、来季に向けて明るい光も見えた。

写真=BBM