「死球」のシーズン最多記録は、2007年にグレッグ・ラロッカ(オリックス)が記録した28死球。ラロッカは際どいボールに対しても体を引くことはないため、2004年(広島)、2006年(ヤクルト)にも両リーグ最多死球を記録している。では、今季の「死球王」(ぶつけられた側)は誰なのだろうか。

今季の死球王はオリックス不動の二番打者



今季、両リーグトップの13死球だったオリックス・宗

 今季の「死球数Top10ランキング」は以下のとおり。

第1位 宗佑磨(オリックス)13死球
第2位 荻野貴司(ロッテ)12死球
第3位 塩見泰隆(ヤクルト)10死球
同3位 青木宣親(ヤクルト)10死球
同3位 杉本裕太郎(オリックス)10死球
同3位 T-岡田(オリックス)10死球
同3位 中村奨吾(ロッテ)10死球
同3位 マーティン(ロッテ)10死球
第9位 岡島豪郎(楽天)9死球
第10位 ウィーラー(巨人)8死球
同10位 ビシエド(中日)8死球
同10位 福田周平(オリックス)8死球
同10位 島内宏明(楽天)8死球

 今季、最もぶつけられた「死球王」はオリックスの宗佑磨。宗はなぜか死球が多い選手で、2019年にはわずか54試合の出場にもかかわらず11死球と常識外の数字を残している。今季も7月終了時点で12死球と、日本記録更新も狙えるハイペースで数を重ねた。

 宗に次ぐ死球数だったのが、今季リーグ最多安打、最多盗塁と2タイトルに輝いたロッテ・荻野貴司。全試合で一番に起用された荻野は、バッティングだけでなく死球でもたびたび出塁し、先制の口火を切った。残念ながらリーグ優勝には届かなかったが、ロッテの躍進を支えた一人だろう。

 3位は10死球で6人が並ぶ。ヤクルト、オリックス、ロッテとリーグ優勝を果たしたチーム、リーグ2位になったチームの選手が名前を連ねている。9位以下の選手にもいえることだが、死球数の多い選手は相手バッテリーに警戒されるような巧打者が多い。

日本シリーズでの死球記録は?



昨年の日本シリーズで計3四球を食らった巨人・中島

 今季の死球王に輝いたオリックス・宗だが、ここまできたら日本シリーズ記録も狙ってもらいたい。日本シリーズ最多死球は、1991年に広島・達川光男、2020年に巨人・中島宏之が打ち立てた3死球だ。この2例のうち、中島は4試合という日本シリーズ最少試合数で3死球を記録。1戦目から3戦目まで3試合連続で死球という、珍しいケースだった。

 宗はクライマックスシリーズでも値千金の本塁打を放つなど調子を上げており、日本シリーズでもヤクルトバッテリーに警戒される存在。類いまれな「死球運」も相まって、シリーズ最多死球記録の更新も期待できる。また、オリックスが今季の勢いを維持し、このままパ・リーグの覇権を握り続ければ、達川光男と西武・伊東勤が記録した日本シリーズ通算6死球を超える可能性もあるだろう。

 今季の死球王は、13死球を記録したオリックスの宗佑磨だった。もともと大きな期待が寄せられていた選手だったが、今季ブレークを果たし、レギュラーポジションをつかみ取った。試合数が増えれば死球の数も増える。来季はラロッカの日本記録「28死球」にどこまで迫れるのか、その点にもぜひ注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM