今季、岡本と並び本塁打王に輝いた村上

 2021年シーズンは、巨人の岡本和真とヤクルトの村上宗隆が同数で最多本塁打のタイトルを獲得。どちらも高卒でプロの世界に入り、本塁打王のタイトルに輝いた選手だが、同じように「高卒入団の本塁打王」は過去何人いるのだろうか?

高卒入団の本塁打王はこれまで21人しかいない


 今回は、2リーグ制となった1950年以降に高卒で入団した選手を対象に、「最多本塁打のタイトルを獲得した高卒入団選手」を調べてみた。その結果は以下のとおり。
※最多本塁打タイトル獲得順

中西太(西鉄/1953年)
町田行彦(国鉄/1955年)
野村克也(南海/1957年)
藤本勝巳(阪神/1960年)
王貞治(巨人/1962年)
土井正博(太平洋/1975年)※高校中退で入団
掛布雅之(阪神/1979年)
大島康徳(中日/1983年)
宇野勝(中日/1984年)
秋山幸二(西武/1987年)
江藤智(広島/1993年)
山崎武司(中日/1996年)
松井秀喜(巨人/1998年)
中村紀洋(近鉄/2000年)
中村剛也(西武/2008年)
T-岡田(オリックス/2010年)
山田哲人(ヤクルト/2015年)
筒香嘉智(DeNA/2016年)
岡本和真(巨人/2020年)
浅村栄斗(楽天/2020年)
村上宗隆(ヤクルト/2021年)
※( )内は達成時の所属チーム、最多本塁打初獲得年


57年に本塁打王を獲得した野村

 1950年以降に入団した高卒選手で、後に「最多本塁打」のタイトルを獲得したのは21人。三冠王となった王貞治や野村克也をはじめ、球史に名を残すレジェンドも多く名を連ねている。2000年以降の入団選手でも、現役最多本塁打の中村剛也、トリプルスリー男の山田哲人など、過去のレジェンドに引けを取らない成績を残す現役選手もいる。

 高卒本塁打王の輩出人数をチーム別に見ると、最多は大島康徳、宇野勝、山崎武司を輩出した中日と王、松井秀喜、岡本和真を輩出した巨人。王は初めて本塁打王になった1962年からなんと13年連続で同タイトルを獲得し続けた。岡本も2020年に自身初の本塁打王になり、翌2021年も巨人では王以来となる2年連続本塁打王に輝いた。王のように3年、4年と連続して獲得し続けられるか注目したいところだ。

最短は中西のプロ2年目



中西はプロ2年目に本塁打王に輝いた

 また、西武は秋山幸二と中村剛也の2人だが、西鉄、太平洋の前身チームを含める場合は4人で中日、巨人を上回る。ヤクルトは山田哲人、村上宗隆とここ10年で2人と高卒入団選手の勢いが強い。巨人のライバルである阪神は藤本勝巳、掛布雅之の2人がいるが、高卒本塁打王は42年間出ず。そろそろ生きのいい高卒スラッガーが出てきてもいいだろう。

 入団何年目に最多本塁打のタイトルを獲得したのかにも注目すると、最短は中西太のプロ2年目となる。1年目は開幕スタメンで起用され12本塁打を記録すると、2年目はシーズン中盤から四番に抜擢。その期待に応えるように本塁打の数を重ね、高卒2年目ながら本塁打王に輝いた。王や野村でも本塁打王のタイトルを獲得するまで4年かかったことを考えると、中西の2年目というのは驚異的な数字だ。

 ちなみに、初めて本塁打王のタイトルを獲得した際の「本塁打数」は、掛布雅之の48本(球団日本人最多記録)が最多。以下、46本の中村剛也、筒香嘉智の44本という順になる。

 高卒入団で本塁打王になった選手を紹介した。NPBが発足した1950年から2021年までの長い期間でも21人。高卒入団から本塁打王を獲得するようなスラッガーへと成長するのはひと握りしかいないのだ。2022年シーズンは、果たして22人目の高卒本塁打王は誕生するのか、その点も楽しみに開幕を待ちたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM