決して143試合の1試合ではない。勝つか負けるかで、その後の流れも変わってくる。チームでたった一人に与えられる開幕投手の座。2022年は誰が栄誉ある役割を務めることになるのだろうか。現時点でのパ・リーグ6球団の「開幕投手」を予想する。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・佐々木朗希

 若い2人が候補に挙がる。まずは昨季のCS初戦の先発も託された佐々木朗希だ。登板後は一度登録を抹消して中10日以上での先発ローテーション入りも、終盤は中6日を解禁。落差の異なるフォークも交え、最大の武器であるスピードもプロ入り後最速となる159キロまで伸ばし、安定感ある投球を続けた。筆頭候補なのは間違いない。対抗は2完封3完投と昨季後半戦から快投を続けた左腕・小島和哉だ。どちらになっても初の大役。160キロ計測も目前に迫る“令和の怪物”か、はたまた昨季、信頼を勝ち得た“左腕エース”か。キャンプ、オープン戦と開幕投手争いが熱を帯びれば、チームも活気づく。

オリックス・バファローズ



オリックス・山本由伸

 ケガなどのアクシデントさえなければ山本由伸で決まりだろう。昨季、自身初の大役を務めた背番号18だったが、7回4失点(自責1)で敗戦投手に。個人15連勝を飾ってタイトルを総なめするも、シーズン後に“開幕黒星”を悔いていた。今年24歳、寅年の“年男”はリベンジに燃える。「(今季は)そこ(開幕戦)からビシッと最後までいけるようにしたい」。個人の連勝は、なお継続中。開幕マウンドで16連勝に伸ばせるか。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・則本昂大

 チームの勝ち頭となる11勝をマークし、2年連続5勝止まりから復調をアピールした則本昂大が大本命だろう。代名詞である「奪三振能力」も戻ってきた。昨年10月27日のロッテ戦(楽天生命パーク)では、右腕で史上最速となる1448回2/3で史上58人目の通算1500奪三振を達成。それでも生え抜き右腕は「物足りないシーズン。優勝争いをしながら、最後は力及ばず3位に終わってしまった」と悔しさしか感じていない。田中将大、涌井秀章、岸孝之と実力者ぞろいの投手陣の中で、2022年シーズンもしっかりと存在感を示していく。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・千賀滉大

 プライベートでも仲の良い2人が大役を争うことになりそうだ。エース・千賀滉大は2018、19年と開幕投手を務めた。19年には自己最速の161キロをマークする力の入りっぷり。いずれも勝ちはつかなかったが、しっかりと試合をつくった。しかし、20、21年は故障の影響で開幕に出遅れ。21年に抜てきされたのが石川柊太だった。前年に最多勝、勝率第一位投手に輝いた右腕は、ピンチにも冷静な投球で7回を1失点。こちらは初の大役ながら勝利投手となって、見事に期待に応えた。実績で言えば昨季まで6年連続2ケタ勝利をマークしている千賀が大本命だが、コンディション次第では石川の2年連続も十分にありうる。切磋琢磨してともに良い形で開幕を迎えられるのが理想。表ローテ、裏ローテの頭がバッチリ決まれば、チームは開幕から波に乗っていける。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム・上沢直之

 2022年の開幕投手はエース・上沢直之しかいない。21年は24試合に登板し、キャリアハイの12勝、防御率2.81(ともにリーグ3位)をマーク。クオリティースタートはオリックス・山本由伸に次ぐリーグ2位の21試合と、シーズン通して抜群の安定感だった。文句なしの成績で年俸も6500万円増の1億5000万円で初の大台突破(金額は推定)。名実ともにエースとなり22年もローテの柱として期待される右腕だが、過去2度の開幕投手ではまだ白星を挙げていない。自身初の開幕投手に指名された2019年のオリックス戦は6回3失点で勝敗はつかず。2度目の開幕投手を務めた21年の楽天戦は4回2/3を投げて6失点の乱調だった。3度目の今度こそ、開幕初勝利を飾りたい。

埼玉西武ライオンズ



西武・高橋光成

 最有力候補は高橋光成だろう。2021年は27試合に投げ、自己最多の11勝(9敗)をマーク。防御率3.78は規定投球回に達した14選手中13位だったが、先発ローテーションは1年間守り切った。昨季は初の開幕投手も務め、山本由伸(オリックス)との投げ合いも制して、勝利を飾った。ただ、22年の開幕の相手もオリックスで相手先発は山本が予想されるが、辻発彦監督は「(山本と)投げ合いたいヤツは出てこい!」と開幕投手に自ら立候補する投手を望んでいる。最下位からの優勝を果たすためには、チーム防御率最下位に終わった投手陣の改善は必須。そのためには若手の成長が不可欠だ。果たして、指揮官の思いに応える投手は出てくるか。

写真=BBM