2012年ドラフトで指名された選手は今季で10年目を迎えている。果たして、その中で最も成長を果たしている選手は誰なのか。パ・リーグ6球団の2012年ドラフトの「出世頭」は?
記録は5月6日現在

北海道日本ハムファイターズ



エンゼルス・大谷翔平[写真=Getty Images]

 2012年ドラフト指名選手の中で最大の出世頭といえば現在、ロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平を置いて他にない。21年にはメジャーで日本人史上2人目となるシーズンMVPを獲得するなど、もはや説明不要の活躍で世界に通用する一流選手へと上り詰めた。日本ハムにドラフト1位で入団以降、投手と野手の二刀流に挑み、14年には11勝、10本塁打でNPB史上初となる2ケタ勝利、2ケタ本塁打の快挙を達成。15年には最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠に輝き、16年にはチームを日本一に導いてMVPを受賞した。この年、史上初の投手と指名打者のベストナインW受賞。NPB在籍5年間で得た数々の記録とタイトルを引っ提げて海を渡った怪物は、ブレない二刀流でメジャーも震撼させている。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・則本昂大

 2012年ドラフトで指名された選手のうち、残っているのは1位の森雄大(現育成)と2位の則本昂大のみだ。則本はルーキーイヤーの2013年に開幕投手に抜てきされ、シーズン15勝をマーク。球団初のリーグ優勝、日本一に大きく貢献し、新人王に輝いた。以降もエースとして常にチームをけん引し、17年には8試合連続2ケタ奪三振のNPB記録を樹立。21年には通算1500奪三振をマークし、節目の通算100勝も目前に迫っている。今季は開幕早々に新型コロナ禍に見舞われたが、すでに戦列復帰。田中将大、岸孝之、涌井秀章と実力者の多い先発投手陣の中でも、その存在感は際立っている。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・東浜巨

 3球団競合の末に入団したドラフト1位右腕・東浜巨は“天国”も“地獄”も味わって、プロ10年目の今季、さらなる進化は果たそうとしている。亜大から即戦力ルーキーとして入団も3年間は結果を残せず。4年目にようやく先発で20試合に登板すると、5年目についに開花。リーグトップの16勝を挙げ、チームのリーグ優勝&日本一に貢献した。しかし、その後はケガや不調に泣かされるシーズンが続く。2019年には右ヒジを手術。戻ってきてからも、17年のときのようにしっかりと試合をつくるということは少なくなった。とはいえ、いつまでもくすぶってはいられない。今春は肩、ヒジへの負担も気にしながら、開幕してからも安定感を維持している。「ちゃんと相手と対戦できている。昨年は自分に目が向くことが多くて、良くないと思っていた。そこが一番大きい」と東浜。完全復活、いや2017年を超える“出世頭”にふさわしい活躍を見せる。

埼玉西武ライオンズ



西武・増田達至

 1位から増田達至、相内誠、金子侑司、高橋朋己、佐藤勇が支配下で指名された2012年のドラフト。現在もユニフォームを着ているのは増田、金子だ。両者のチームへの貢献度は高いが、やはり増田の存在感が大きい。15年には40ホールドをマークして最優秀中継ぎのタイトルを獲得。16年途中からクローザーに定着すると、連覇を果たした19年には初の30セーブに到達した。さらに翌20年には33セーブを挙げたが、史上3人目となる“無敗のセーブ王”に。同年オフには国内FA権を行使して、4年総額12億円(推定)の大型契約を結んだ。昨季は不振に陥ったが、今季は復活。ここまで7セーブをマーク。5月1日のオリックス戦(京セラドーム)では史上18人目の通算150セーブを達成している。

オリックス・バファローズ



オリックス・伏見寅威

 2012年ドラフトは支配下で6人が使命された。現在もチームに所属しているのは伏見寅威のみも、背番号23が堂々とマスクをかぶっている。強打が武器に“打てる捕手”の触れ込みで入団し、代打起用のほか三塁、一塁守備にも挑戦するなどバットで存在感を示してきた。そんな中で2019年、巨人との交流戦(東京ドーム)で左足アキレス腱を断裂して長期離脱。捕手としての選手生命の危機も、懸命のリハビリで翌20年に復帰すると、昨季は若月健矢と併用でマスクをかぶり、チーム最多の86試合スタメンマスクで25年ぶりの優勝に大きく貢献した。緩急を巧みに使ったリードで、投手の良さを最大限に引き出している。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・田村龍弘

 正捕手としてチームを支え続けてきたのが光星学院高から2012年ドラフトで3位指名された田村龍弘だ。高卒1年目の2013年に一軍デビューを果たすと、同年にはクライマックスシリーズでもマスクをかぶるなど経験を積み、年々出場数を増やしていく。16年から3年間はパ・リーグの捕手で最多出場、18年は全試合出場と欠かせない存在となったことは数字が物語る。ただ、近年は故障が続き、昨季はシーズン中に加藤匠馬を中日からトレードで獲得した。さらに強打の佐藤都志也に加え、今季はドライチ・松川虎生が加入と、二軍で昇格機をうかがう日々。ファームでは三塁の守備に就くなど、背番号22が再び一軍でマスクをかぶるべくアピールを続けている。

写真=BBM