阪神は6度で1勝5敗



5月24日の楽天戦、阪神は6回に大山悠輔の適時打で挙げた1点を守り切り、1対0で勝利

「投高打低」と言われている今季。それを示しているのが5月24日現在、究極のロースコアゲーム、1対0の試合が19試合もあることだろう。球団別に見ると次のようになる。

 中日    ○=4度 ●=3度
 阪神    ○=1度 ●=5度
 広島    ○=3度 ●=1度
 オリックス ○=3度 ●=1度
 楽天    ○=1度 ●=4度
 ヤクルト  ○=1度 ●=1度
 DeNA ○=2度
 ロッテ   ○=1度 ●=1度
 ソフトバンク○=1度 ●=1度
 日本ハム  ○=2度
 西武    ●=2度

 と中日がもっとも多く7度で4勝3敗。貧打にあえいでいる阪神は0対1で5度も負けていたが、5月24日の楽天戦(甲子園)で1対0の勝利。12球団で唯一巨人だけが1対0での決着がない。

 両チームの安打数に目を向けると、同数だったのが2試合で、安打数が少ないチームが1点を取り勝利したのが11試合。安打数が多いチームが勝利したのは6試合と、安打数が少ないチームのほうが勝ちに結びつけている。

わずか1安打での勝利も



4月17日のロッテ対日本ハムは万波のソロの1安打のみで日本ハムが1対0で勝利

 その究極だったのが4月17日のロッテ対日本ハム(ZOZOマリン)。ロッテの先発は前の試合で完全試合を達成した佐々木朗希。この試合も8回まで完璧に抑え降板し、味方の援護を待った。しかしロッテ打線も日本ハムの先発・上沢直之から点を取れずに無得点。ロッテは9回に益田直也をマウンドに送り、エラーで走者は出したものの無安打に抑えた。その裏、ロッテは二死満塁とサヨナラのチャンスをつかんだが無得点。延長戦に突入しロッテは西野勇士がマウンドに上がったが、先頭打者の万波中正が右中間スタンドに放り込み、日本ハムはその1安打だけで勝った。万波は5月13日のソフトバンク戦(札幌ドーム)でも4回に先制タイムリーを放ったが、結局その1点で勝利を挙げている。

 この試合では日本ハム・伊藤大海とソフトバンク・千賀滉大はともに完投した。両チームの先発がともに完投した1対0の試合はもう1試合ある。5月6日の中日対阪神戦(バンテリン)。中日の大野雄大は9回パーフェクトに抑えるが、味方打線も青柳晃洋に2安打無得点に抑えられ延長に入った。大野は延長10回表二死から佐藤輝明に初安打(二塁打)を浴びるが0点でしのぎ、その裏中日は青柳から一死満塁のチャンスをつかみ石川昂弥の中前安打でサヨナラ勝ちした。延長戦で両投手が完投するのは、07年7月13日の横浜・三浦大輔とヤクルト・館山昌平以来15年ぶりのことだった。

統一球時代も急増


 さて今季1対0の試合は19試合だが、これは5月24日までの274試合の6.9%にあたる。昨年は2.7%(858試合中23試合)だったので、今季の多さが分かる。

 交流戦が始まった2005年以降、この割合は、

 2005年=2.4% 2006年=3.1% 2007年=2.3%
 2008年=2.3% 2009年=1.6% 2010年=2.5%
 2011年=5.4% 2012年=5.6% 2013年=4.3%
 2014年=2.7% 2015年=3.7% 2016年=2.0%
 2017年=3.0% 2018年=1.9% 2019年=2.0%
 2020年=1.1% 2021年=2.7%

 となっている。2011年に低反発統一球が使用されるようになって、本塁打が2010年の1605本から909本(試合数は同じ)に激減。チーム打率も軒並み下がり、1対0の試合は22から47と大幅に増えた。翌年もその影響から抜けられずに48試合もあったのだが、その後徐々に減っていった。

 歴代の記録を見ても、今年の6.9%を上回るのは、

 1941年=12.1%
 1942年=10.2%
 1943年= 8.6%
 1956年= 8.2%
 1940年= 7.5%

 の5例だけで、ほとんどがボールが粗悪で飛ばなかった戦争中の時代で、2リーグになってからは1956年の8.2%しかない。それだけ今季は投手力が図抜けていると言っていいのだろう。

 観客数が大幅に緩和されたプロ野球。久しぶりに生観戦をした人にとっては得点がより多く入った方が思い切り楽しめるだろうが……。

文=永山智浩 写真=BBM