7勝を挙げた東海大の左腕は2冠



東海大の主将・小松が優勝旗を受け取った

【5月28日】表彰式

 東海大が2季連続75度目の優勝を飾った首都大学リーグ。5月28日に、サーティーフォー相模原球場で表彰式が行われた。

 最高殊勲選手と最優秀投手の2冠を達成したのは東海大の左腕・岩本真之介(2年・市和歌山高)。登板はすべて先発で7戦7勝。しかも、1完封を含む4完投というタフネスぶりで、防御率も0.95と文句のつけようがない成績でチームを優勝に導いた。

▽岩本の受賞コメント
「7勝という数字は特に意識していなかったのですが、周囲の方々やチームメートからの反響が大きくて『すごいことをしたんだな』と感じています。4完投については『自分が最後まで投げたい』という気持ちが強いからできたのだと思います。この春はトレーニングで回転数が上がった真っすぐで押すことができ、変化球やコントロールの精度も良くなりました。今は心身ともに疲れた状態ですが夏にもう一度鍛え直して、秋季リーグではまた最高殊勲選手と最優秀投手の2つの賞が取れるように頑張りたいです」

 首位打者は打率.462(26打数12安打)で筑波大・石毛大地(3年・相模原高)が獲得。

▽石毛の受賞コメント
「まさか首位打者を取れるとは思ってもいませんでしたが、引っ張って強い打球が打てるようになりヒットゾーンが広がったのが打率を上げられた理由だと思います。自分は県相模原高の出身ですが、同じように公立校でプレーしている高校生の中から『公立出身でもやれる』と感じて大学野球に挑戦する選手が増えてくれたらうれしいです。秋は他チームから警戒されることになるかもしれませんが、自分の役割を徹底して個人としては打率3割。チームとしては優勝を目指します」

東海大主将は遊撃手ベストナイン


 ベストナインで投手部門に選ばれたのは武蔵大の松崎公亮(2年・聖徳学園高)。リーグトップの防御率0.70をマークし、2試合で完封勝利を挙げた。

▽松崎の受賞コメント
「ピッチャーのレベルが高い首都大学リーグでベストナインを受賞できて光栄です。昨年まではコントロールに苦しんでいましたが、この春は制球力を上げてリーグの開幕に合わせることができました。最終カードの東海大戦では岩本との投げ合いになり、1点勝負になると感じていましたが踏ん張り切れず。0対1で敗れてしまいとても悔しい思いをしました。ですから、秋は1位になって関東地区大会も突破し、全国大会に出場したいです」

 捕手部門は武蔵大の斉藤北斗(4年・日大鶴ヶ丘高)。田中啓斗(3年・日大二高)と松崎のダブルエースをリードし、打ってもリーグ中盤からはつなぎ役として二番に定着した。

▽斉藤の受賞コメント
「今季から捕手にコンバートされたばかりだったのでオープン戦ではパスボールが多く、盗塁も刺せず、不安な気持ちで開幕を迎えました。それでも、まずは止めることを大事にしてしっかりとストッピングの練習をすることをルーティンにし、リーグ戦中も継続してやってきたことでパスボールは一つも記録することなく終えることができました。秋は自分がもっと活躍できればこの春のように悔しい涙を流さずに済むと思うので、実力をアップさせて全勝で優勝したいです」

 東海大の優勝を決める3ランを放った吉田元登(4年・東海大相模高)が三塁手部門で受賞。第6週の帝京大2回戦では1試合で5安打も記録した。

▽吉田の受賞コメント
「ベストナインが取れてめちゃくちゃうれしいです。(武蔵大戦2回戦で)優勝を決めるホームランを打った打席はカウントが3ボール1ストライクになったので『勝負してもらえないかも』と感じていましたが、それでも『甘い球が来たら素直にバットを振ろう』と思っていたことが最高の結果につながりました。これまでの自分はアシスト役が多くて、良いところを持っていくのはいつも別の選手だったのですが、ホームランを打って優勝を決めた日の夜はごはんを食べなくても胸がいっぱいでした」

 優勝した東海大を主将としてけん引した小松勇輝(4年・東海大相模高)が遊撃手部門のベストナイン。昨秋は右ヒザの故障によりシーズンを棒に振ったが、今春は第2週の日体大2回戦でサヨナラ打を放つなど復活を遂げた。

▽小松の受賞コメント
「(第3週の日体大戦で勝ち点を落とし)負けられない戦いが続きましたが、一人ひとりが意識を上げ、逆に練習に身が入ったのが優勝できた要因だと感じています。個人的には昨年にケガをしましたが、たくさんの方々に支えてもらったのでベストナインを受賞することができてうれしく思っています。体を動かせなかった分、考える時間が増えましたし、自分やプロ野球選手の動画を見て研究をしたことで打席での引き出しを増やすことができ、打率(.357)を残すこともできました」

“二刀流”矢澤はDHベストナイン


 外野手部門で受賞したのは首位打者の石毛に加え、日体大の本間巧真(3年・東海大相模高)と武蔵大の松下豪佑(4年・佼成学園高)。本間は春季リーグ11試合で14打点をマーク。松下も勝負強い打撃で12打点を挙げた。

▽本間の受賞コメント
「体作りなど開幕前に努力してやってきたことが実りました。今春は三塁打を5本打っていて、どの一打も印象に残っているのですが、今シーズンの最初のヒットも三塁打でした。開幕戦から長打を打てたことが自信になり、そのまま最後まで好調を持続することができたと思います。そして、この秋は守備も走塁もバッティングも周りとは違う抜きんでたプレーをし、攻守交替や一塁へ走る時の全力疾走も心掛けていきたいです」

▽松下の受賞コメント
「クリーンアップは打点を稼ぐのが仕事なので、得点圏にランナーがいる場面では『絶対に返す』といつも意識していました。ただ、打点ではチームに貢献できたかもしれませんが、ホームランは1本だけでそれ以外のヒットはほとんど単打。この春は良かったとは言えない結果だと感じています。『うれしい』よりも『悔しい』という気持ち方が強いので、秋は長打を増やし、チャンスメイクもできるようにしていきたいです。気を抜いている時間はないので、春の悔しさを絶対に忘れずに練習に取り組んでいきます」

 最後に指名打者部門は投打の二刀流でプレーした日体大の矢澤宏太(4年・藤嶺藤沢高)。打率.350、1本塁打、8打点の成績で、投手としては4勝2敗、防御率1.83、43奪三振(44回1/3)だった。

▽矢澤の受賞コメント
「ベストナインは受賞できましたが優勝はできず、個人としても目標にしていた首位打者と最優秀投手のタイトルは取れませんでした。シーズン開幕直後のコンディションが良い時はプレーも良かったのですが、疲労があるなかでどのようなプレーができるのかが今後の課題です。ただ、今季の最終カード(帝京大戦)では秋に向けていろいろと試すことができ、バッティングではタイミングをゆっくりと取ることで調子を上向きにして終わることができました。ピッチングもフォームを少し変えることで150キロを出すことができ、まだまだ成長できると思っています。秋こそは首位打者と最優秀投手を取り、優勝したいです」

 また、ベストナインの一塁手部門は帝京大・島野圭太(2年・履正社高)、二塁手部門では武蔵大・中島将喜(4年・前橋商高)が受賞している。

 東海大は6月6日に開幕する全日本大学選手権を控えている。首都大学リーグの代表として、2014年以来の日本一を目指す。

取材・文=大平明 写真=BBM