開幕から2カ月半が経過したペナントレース。各チームは日程の1/3以上を消化しているが、果たして先発エースはしっかりと働くことができているか。その出来がチーム浮沈のカギを握る存在。セ・リーグ6球団のエースを100点満点で採点した。
※記録は5月30日現在

読売ジャイアンツ



5勝を挙げているが貯金はわずか1個の菅野

菅野智之 60点

 球団最多となる8度目の開幕投手を務めた今季も「エース」の称号はこの男のものではある。しかし、苦しい投球が続いているのは事実だ。9度目の先発となった5月26日のオリックス戦(東京ドーム)は6回3失点で4敗目。7度目のクオリティースタートも、毎回のように先頭打者の出塁を許して小刻みに失点を重ねる投球に、原辰徳監督も「内容が悪過ぎた。リズムがなかなか」と苦言を呈した。リーグトップタイの5勝、防御率3.19と数字だけを見れば及第点だが、背番号18に求められているものはもっと高いところにあるということ。完全復調と「真のエースの投球」を早く見たい。

東京ヤクルトスワローズ



3、4月は不調も5月は好成績を残した小川

小川泰弘 70点

 開幕戦で3回11安打4失点降板など、3・4月は登板4試合で0勝2敗、防御率5.68と痛打を浴びる場面が目立った小川泰弘。しかし、一度登録を抹消して迎えた5月3日の阪神戦(甲子園)では見違える投球を披露。「体を大きく使って力強く投げていくという原点に戻って」と新しく挑戦していた投球フォームを昨年までのものに戻し、球にキレが戻った。今季初バッテリーを組んだ中村悠平の好リードもあり完封で今季初勝利。ここまで5月は4試合登板で2勝1敗、30回2/3を投げて防御率は0.88の内容だった。規定投球回数こそ到達していないが、チームトップの投球回数と防御率をマーク。6月も安定したパフォーマンスを続け、エースの名に恥じない投球を続けていきたい。

広島東洋カープ



3・4度には4年ぶりとなる月間MVPを受賞した大瀬良

大瀬良大地 75点

 開幕戦では4年連続4度目の大役を見事に務めて今季初勝利。そこから、大瀬良大地はエースとしっかりとチームを引っ張ってきた。チームが好スタートを切った3・4月は、大瀬良自身6試合4勝1敗、防御率2.25で4年ぶり2度目となる月間MVPを獲得。4月29日の中日戦(バンテリン)では気迫の完封でチームの連敗を止め、球団通算4500勝をもたらすなど、ここぞの場面に頼もしさが光った。現在5勝はチームトップというだけでなく、リーグでもトップタイの成績。おまけにクオリティスタート(6投球回以上で自責3以下)率も77.8パーセントを記録している。5月27日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では今季ワースト5回5失点でKOされたが、この失敗を2度と繰り返さないのがエース。次回登板でどんなピッチングを見せるか、注目だ。

中日ドラゴンズ



数字以上の存在感を放っている大野雄

大野雄大 75点

 5月27日のオリックス戦(京セラドーム)は完封目前にポテンヒットで失点したが、気迫の132球で完投勝利を飾った。名古屋からの移動ゲームに加え、前日もリリーフ陣5人を投入。「最後まで行かせてください」と志願の完投だった。ここまで9試合に登板して3勝4敗の防御率3.05という数字は、本人はもちろんチームにとっても物足りない。しかし、数字以上に大きな存在感で投手陣をけん引している。5月6日の阪神戦(バンテリン)は延長10回二死までパーフェクト投球。これぞエースと言うべき圧巻の内容だった。オリックス戦で3勝目を挙げた試合後、「大野雄の力はまだまだあんなものじゃないですよ」と立浪和義監督。開幕投手を任せたエースへの信頼は揺るがない。

横浜DeNAベイスターズ



今季、3年ぶり完封勝利も飾った今永

今永昇太 50点

 キャンプで左前腕の肉離れが発覚したために開幕には間に合わず、今永昇太の今季初登板は5月に入ってからだった。5月6日の広島戦(マツダ広島)で今季初登板を果たすと、17日の中日戦(バンテリン)で復帰後初勝利を3年ぶりの完封勝利でマークした。中日打線を相手に4安打、最速は149キロながらスピンの効いたボールで13奪三振中、10個をストレートで奪ってみせた。今季は、これまでに3試合に先発し1勝0敗、防御率2.14と安定した投球を披露する。チーム事情を考えれば、これ以上の離脱は許されない。先発ローテーションの軸となり、出遅れを取り戻したい。

阪神タイガース



マウンドで抜群の安定感を誇る青柳

青柳晃洋 95点

 マウンドに帰ってきてからの青柳晃洋の投球は満点に近い。7試合に登板して3試合で完投し、1完封の5勝1敗。先発ながら防御率1.13でリーグトップを走っている。平均投球回は8回でクオリティスタート(6投球回以上で自責3以下)率は100パーセント。青柳が投げれば「勝つ」という状況になっている。本来ならば100点と行きたいところだが、開幕投手が決まったあとの開幕戦直前に新型コロナ陽性となり、離脱した。本人のせいではないのだが、青柳のいない間に開幕から大型連敗を喫した点を考慮して95点とした。

写真=BBM