全体的に本塁打数が落ちている中で



ケガで14試合に欠場しながら本塁打でリーグトップを独走する山川

 昨年、セ・リーグの1チーム1試合あたりの本塁打数は0.89本。パ・リーグは0.80本だったが、今年はセが0.77本、パが0.62本と減っており、投手力が優位に立っている状況だ。

 セ・リーグは昨季の本塁打王、巨人の岡本和真がチーム30試合目の4月29日に2ケタの10号に到達。5月14日にはチーム37試合目で、こちらも本塁打王のヤクルト・村上宗隆が10号。5月18日には今季2年目のDeNA・牧秀悟と阪神・佐藤輝明がそろって2ケタの本塁打をマークし、全体的に本塁打数が落ちている中、長打力を持つ選手はきっちりと結果を残している。

 一方パ・リーグは2018、19年と2年連続本塁打王のタイトルを獲得した西武の山川穂高が、5月3日のチーム31試合目に2ケタに乗ったものの、その後5月中には2ケタに届く選手はいなかった。次に10号に届いたのは日本ハムで売り出し中の万波中正で6月3日(チーム55試合目)。5日にはロッテのレアードがチーム57試合目でやっと2ケタに乗った。パは18本塁打の山川の独壇場になっている。

 山川は開幕2試合目、地元・ベルーナドームで今季初本塁打を放つと翌日も2試合連発。開幕4試合目の札幌ドームでは2アーチを放ち、好スタートを切った。しかし右足を負傷し3月31日は欠場し、翌日一軍登録抹消。復帰したのはチーム20試合目の4月19日だった。それでも4月22日に復帰後初アーチ(5号)を放つと、4月末まで8本塁打。5月も9本塁打、6月も5日に1本目を記録しタイトル争いを独走している。山川は14試合に欠場しているため規定打席には届いていない状態(5打席足りず)でのトップだ。

2位・牧に大きな差をつけて


 本塁打率(本塁打1本に対する打数)は8.06。これは両リーグでもダントツの数字だ。

 今季、5本塁打以上の本塁打率上位は、

1位 山川穂高(西)   8.06 145打数 18本
2位 牧秀悟(デ)   11.20 168打数 15本
3位 村上宗隆(ヤ)  11.81 189打数 16本
4位 岡本和真(巨)  12.59 214打数 17本
5位 万波中正(日)  15.20 152打数 10本
6位 ウォーカー(巨) 15.50 186打数 12本
7位 大山悠輔(神)  15.54 202打数 13本
8位 アルカンタラ(日)15.67 141打数  9本
9位 山田哲人(ヤ)  16.58 199打数 12本
10位 今川優馬(日)  17.33 104打数  6本

 となり、2位の牧秀悟を大きく上回っている。

歴代1位はバレンティン



シーズン最多60本塁打を放った13年のバレンティン

 8.06打数に1本という数字は歴代を見ても上位にランキングされる。10本塁打以上でのランキングでは(※は規定打席未満)、

1位 バレンティン(ヤ)7.32 439打数 60本 2013年
2位 ブライアント(近)7.85 267打数 34本 1988年※
3位 王貞治(巨)   7.86 385打数 49本 1974年
4位 カブレラ (西) 8.13 447打数 55本 2002年
5位 王貞治(巨)   8.16 400打数 49本 1976年
6位 王貞治(巨)   8.25 396打数 48本 1966年
7位 落合博満(ロ)  8.34 417打数 50本 1986年
8位 王貞治(巨)   8.39 428打数 51本 1973年
9位 清原和博(巨)  8.42 101打数 12本 2004年※
10位 マニエル (ヤ) 8.52 358打数 42本 1977年

 となり、現段階では4位のカブレラを上回る成績を残している。

 山川は2016年に14本塁打で本塁打率9.93をマークしているが、規定打席にはほど遠い数字だった。47本で初タイトルを獲得した2018年は11.51、43本だった翌年も12.19といずれも10を切ることはできなかった。好不調の波が若干多い打者ではあるが、2013年のバレンティン、パでは2003年の近鉄・ローズ(51本塁打、本塁打率9.96)以来の本塁打率10未満の本塁打王に期待したい。

文=永山智浩 写真=BBM