球宴が終わると、ペナントレースは勝負の夏場を迎える。実績を残す選手はこの時期に一気に調子を上げてくる。ヤクルトが首位を快走するセ・リーグを盛り上げるためにも、後半戦のキーマンとなる選手たちの活躍に期待したい。
※記録は7月27日現在

読売ジャイアンツ



巨人・中田翔

※中田翔(巨人)
今季成績 64試合出場、打率.271、12本塁打、32打点、0盗塁

 不退転の決意で臨んだ今季は2度目のファーム降格となった6月6日時点で、打率.215、5本塁打、20打点。若手成長株の増田陸が台頭し、一塁のポジションを明け渡す格好になったが、6月17日に一軍昇格するとバットを小指一本短く持った新たなスタイルで打撃にも柔軟性が出た。途中出場で結果を残すと、7月以降はスタメンに定着。7月17日から3試合連続アーチ、3試合連続猛打賞の固め打ちで打率を一気に上げた。一塁の守備能力は球界屈指だけに、攻守で中田の貢献度は非常に高い。ただ、まだレギュラーを保証されている立場ではない。7月20日に新型コロナ感染が発表されたが、後半戦も打ち続けてチームに恩返ししたい。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト・山田哲人

※山田哲人(ヤクルト)
今季成績 80試合出場、打率.257、16本塁打、51打点、8盗塁

 チームは前半戦に首位を独走したが、主将の山田に満足感はないだろう。交流戦で四番の村上宗隆がMVPを獲得する活躍を見せたのとは対照的に、打率.153、5本塁打、7打点とブレーキに。気になるのは三振の多さだ。前人未到のトリプルスリーを3度達成したシーズンはいずれも100三振を喫しているが、今季は80試合出場でリーグトップタイの87三振と多過ぎる。直球に振り遅れる場面が目立ち、首をかしげる場面も。新型コロナウイルスの陽性判定で7月上旬から2週間戦列を離れたが、復帰戦となった24日の広島戦(神宮)で16号決勝ソロを左翼席に運び、勝利に貢献した。後半戦は打棒でチームを引っ張る。

広島東洋カープ



広島・野間峻祥

※野間峻祥(広島)
今季成績 50試合出場、打率.310、0本塁打、9打点、4盗塁

 俊足、強肩でパンチ力も兼ね備え、身体能力の高さはチーム内でピカ一。だが、好不調の波が激しく規定打席に到達したのは2018年の1度のみと殻を破れなかった。今季も開幕して2週間で登録抹消。ファームで1カ月以上過ごして5月19日に一軍昇格すると、一番に定着して広角に安打を量産している。秋山翔吾が加入後も、野間が一番で起用されており首脳陣の信頼の高さが垣間見える。同じ外野の左打者で中距離ヒッターの秋山から得るものも多いだろう。後半戦もリードオフマンとしてチャンスメークする。

阪神タイガース



阪神・西勇輝

※西勇輝(阪神)
今季成績 16試合登板、6勝6敗、防御率2.18

 打線の援護に恵まれない登板が多いため白星は伸びていないが、安定した投球を続けている。6月に2試合連続5失点以上を喫して連敗したが、ここでズルズルいかない。7月は3試合登板で2勝0敗、防御率0.89。昨年はプロ通算100勝をマークしたが、6勝9敗で防御率3.76と不本意な成績で2ケタ勝利が3年連続で途切れた。チームもリーグ優勝にあと一歩届かず悔しい思いをした。今季は防御率が大幅に改善されたが、7イニング以上を投げた登板が5試合というのは西勇の力をすれば少なく感じる。救援陣の負担を減らすためにも、後半戦は長いイニングを投げて白星を積み重ねたい。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA・山崎康晃

※山崎康晃(DeNA)
今季成績 33試合登板、0勝2敗20S2H、防御率2.20

 守護神で完全復活したと言って良いだろう。3月27日の開幕3戦目・広島戦(横浜)で3失点を喫して逆転負けを喫したが、その後はキレの良い直球、落差の大きいスプリットで安定した投球を続けている。今は抑えで投げられる姿をかみ締めているだろう。新人の2015年に新人最多記録の37セーブ、18、19年は2年連続最多セーブを獲得し、19年に通算150セーブを史上最年少の26歳9カ月で達成したが、20年は40試合で0勝3敗6セーブ、防御率5.68で故障以外では初のファーム降格も経験。昨年もセットアッパー60試合に登板して3勝2敗1セーブ27ホールド、防御率3.27だった。守護神としての信頼を取り戻した今年は輝きが違う。後半戦も試合の最後をきっちり締める。

中日ドラゴンズ



中日・ビシエド

※ダヤン・ビシエド(中日)
今季成績 76試合出場、打率.273、8本塁打、35打点

 得点力不足が深刻な中日打線。四番のビシエドに掛かる負担は大きいが、活躍してもらわなければ困る選手だ。6月の月間打率.341、1本塁打、6打点と好調だったが、左肩のしびれで21日に登録抹消に。7月5日に再昇格したが、打撃の内容は決して悪くない。長打を求められるのはやむを得ないが、ビシエドはライナー性の打球で左中間、右中間を射抜く中距離打者だ。2018年には打率.348で首位打者、最多安打(178)のタイトルを獲得している。近年は思うような結果を残していないが、本塁打を量産しなければいけないという気負いがあったようにも感じる。打率が上がっていけば、自然と本塁打数も増えていくだろう。

写真=BBM