後半戦がスタートし、ペナントレースはいよいよ佳境へと突き進んでいく。優勝、そしてクライマックスシリーズ進出のために必要なのはプラスアルファの力だろう。特に前半戦で本領を発揮できなかった選手が本来の力を出してくれれば大きい。セ・リーグ6球団で後半戦に「復活」してほしい選手をピックアップした。
※記録は7月29日現在

阪神タイガース



阪神・藤浪晋太郎

 ケガでもなく、不調でもなく、二軍でその時を待っているのが藤浪晋太郎だ。先発陣も、リリーフ陣も好調なため、なかなか昇格できないのが現状だ。「空きがない」と矢野燿大監督も語るとおりの状況。今季は4月8日の広島戦(甲子園)で先発したが4回を5安打4四球3失点。86球と球数も多く、悪いクセが治っていなかった。その後はリリーフで起用されたあと、先発調整のため登録抹消に。そして現在、出番を待っている状況。二軍では4勝1敗で防御率1.72。後半戦、先発陣が疲れてくるときに絶対にチャンスが巡ってくるはず。そこで快投を期待したい。

読売ジャイアンツ



巨人・坂本勇人

 チームとっては誤算だった。開幕前に左ワキ腹、5月に右ヒザを痛め、そして7月に腰痛と3度にわたって離脱を余儀なくされた坂本勇人。キャプテン不在の期間が長かったことは、前半戦をまさかの5位ターンとなってしまった要因の一つだろう。完全復活はチーム浮上のためにも不可欠。出場していたときも決して万全の状態ではなかったはずだが、49試合で打率.299、5本塁打とさすがの存在感を見せている。度重なるケガでコンバートの声も聞こえてくるが、「遊撃・坂本」が攻守に与える好影響は計り知れない。プロ2年目からショートの激務をこなしてきた勤続疲労はあるにしても、まだ33歳。万全のコンディションを取り戻すことは可能なはずだ。

広島東洋カープ



広島・西川龍馬

 6月上旬の離脱からもうすぐ2カ月が経とうとしている。首位・ヤクルトとは11ゲーム差、大逆転優勝に向けても、CS出場に向けても、西川龍馬の勝負強さはチームにとって必要だ。今季は好調なスタートを切った。開幕当初は一番打者を担い、攻撃陣に勢いをもたらす働きぶり。その後は不調の小園海斗に代わり三番に入って、勝負強さはますます光った。五番・坂倉将吾とともに一時4割を超える得点圏打率。クリーンアップに回せば何か起きる、そんな予感をひしひしと感じさせた。5月に一時調子を落とすも、それでも1つのきっかけで簡単に浮上することができるのが西川の強みだ。事実、離脱する直前の5試合連続安打中。同時期、チームは交流戦でなかなか勝ち星をつかめなかっただけに、西川の下半身コンディション不良の影響は大きかった。すぐに復帰かと見られていたものの、状態は思ったより悪く、実戦復帰もなかなか叶わず。ただ、ようやく7月29日のウエスタン・阪神戦(倉敷)に出場。一軍昇格にはもう少し時間はかかるが、シーズン終盤、大事な時期には元気いっぱいで戻ってきてくれるに違いない。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA・オースティン

 大砲の復活をチームの誰もが待ち望んでいる。タイラー・オースティンは来日2年目の昨季、DeNAの四番に座り、規定打席にわずかに届かなかったものの打率.303、28本塁打、74打点と存在感を見せつけ、東京五輪でもアメリカ代表として母国の銀メダル獲得に貢献した。さらなる飛躍が期待された今季だったが、オープン戦で右ヒジの違和感を訴え、4月にアメリカに帰国してクリーニング手術を決断。リハビリは順調に進んでおり、7月からはファームで実戦復帰してイースタンで3本塁打を放っている。ヒジに不安が残るため、現時点で本来の外野手ではなく一塁の守備に就く。早期の一軍合流が待たれる。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト・奥川恭伸

 連覇へのラストピースとして1日も早い復帰が待たれるのが奥川恭伸だ。昨季は高卒2年目ながら、シーズン9勝にクライマックスシリーズ・ファイナルステージの完封勝利を挙げる活躍を見せただけに、今季にかかる期待は大きかった。しかし、初登板となった3月29日の阪神戦(神宮)では4回1失点53球で降板すると、翌日に上半身のコンディション不良で登録抹消された。以降は二軍での調整が続き、4月下旬にキャッチボールを再開、6月中旬にはブルペン入りをするなど実戦復帰へ向けて段階を経ていた。ところが、7月28日に新型コロナウイルスに感染。待望の復帰登板はまだ先になりそうだ。

中日ドラゴンズ



中日・高橋周平

 開幕直前に左足首捻挫に襲われ、今季の初出場は4月29日の広島戦(バンテリン)だった。高卒3年目のスラッガー・石川昂弥を三塁で起用するため、高橋周平は今季から二塁へ回るチーム方針。しかし、二塁の守備はともかく、なかなか快音が響かない。最初は立浪和義監督も三番、あるいは六番で起用していたが、七番に下げ、八番まで落とした試合もあった。前半戦の打率.246に2本塁打&15打点の成績は物足りず、得点圏打率.160が何とも歯がゆい。7月16日の阪神戦(甲子園)で右ワキ腹を痛めて登録抹消。復帰の時期は未定だが、このままシーズンを終えるわけにはいかない。後半戦は好機に強く、持ち味のシュアな打撃を見せてもらいたい。高橋周がクリーンアップでコンスタントに打てるようになれば、チームは必ず浮上できるはずだ。

写真=BBM