打線をけん引する存在として開幕四番に座った男。果たして、その後も四番の座を守り続けているのか、それとも現在では別の役割を任されているのか。パ・リーグ6球団「開幕四番」の現在地を探る。
※記録は8月15日現在

埼玉西武ライオンズ



西武・山川穂高

“不動の四番”と言って差し支えない。開幕四番でスタートした山川穂高は2戦目から3試合連続本塁打と見事に結果で応える。だが4月1日から約3週間、右太もも裏肉離れで戦線離脱。14試合に欠場したが、復帰後も四番の座を守り続けて豪快な一発でチームを勝利に導いてきた。ここまでリーグ断トツ1位の35本塁打をマークし、73打点もリーグ1位と打撃2冠に向けて突き進んでいる。「全部四番で出たい」と誰よりも四番にこだわる山川。そのためにも力強いスイングで相手に脅威を与える存在であり続ける。優勝争いはシーズン最終盤に向けてより激しさを増していくが、最後まで四番としてバットを振り続ける。

オリックス・バファローズ



オリックス・杉本裕太郎

 昨季、本塁打王のタイトルを獲得し、シーズン打率3割も記録した杉本裕太郎が、今季も開幕四番に君臨。だが、好不調の波が激しいシーズンとなっている。開幕直後に打撃不振に陥り、4月末には新型コロナに感染して二軍降格した。再調整で状態が上向くと、交流戦で12球団トップの打率.391をマークするなど復調。下位に落ちていた打順も徐々に上がり、ロッテとの後半戦初戦は9回に起死回生の同点3ランと勝負強さも戻り、8月12日のソフトバンク(PayPayドーム)から四番に。だが、3試合で13打数1安打8三振と快音が聞かれず。打線が活発になってきただけに、背番号99の状態が気がかりだが、皆が打てないときに打てばいい。シーズントータルの成績よりも、“ここぞ”の一打でリーグ連覇を手繰り寄せる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・島内宏明

 暑い夏に調子を上げてきている。楽天の不動の四番は島内宏明だ。6月終了時点で打率.270だったが、7月は月間打率.350、8月も現時点で3割超と好成績をキープしている。普段から「四番は打ちたくない」と言っているが、その言葉とは裏腹に勝負強さは確かだ。8月7日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では、0対1の6回無死満塁の好機に、左翼フェンス直撃の2点二塁打を放ち勝利に貢献した。昨季は96打点をマークし、自身初の打点王に輝いた。ペナントレースの勝負どころでも勝利に導く一打が期待される。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・レアード

 安田尚憲、山口航輝ら次代の中軸候補に期待が寄せられる一方、開幕四番に座ったのはブランドン・レアードだった。ポイントゲッターとなるべく助っ人砲を中軸に据えたが、長打力は健在もコンスタントに結果を残せず。レオネス・マーティンとともに開幕から成績不振で、得点力が上がらぬ一因となった。6月21日を最後に四番から外れたが、それでも長打力は魅力とあって五番や下位で起用も、8月12日からはベンチスタートに。代打起用と存在感を示せずにいる。日本ハムに入団し、2019年からロッテに移籍して来日8年目の今季。NPB通算200本塁打を達成と一発長打は魅力なのは確かだが、今季の打率.201と苦しい成績がチーム状態にも直結してしまっている。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・グラシアル

 藤本博史新監督に四番に指名されて開幕から四番に座ったY.グラシアル。春先は調子が上がらなかったが、その後は安打を積み重ねて打率が上昇。6月9日の阪神戦(PayPayドーム)から四番を外れたが、17日の楽天戦(PayPayドーム)では田中将大から2打席連続で逆方向の右翼にアーチを放ち、19日の同戦でも早川隆久から右翼ポール際に5号ソロと量産体制に入るかと期待された。だが、チームが新型コロナ禍に見舞われ、グラシアルも27日に抹消。7月22日のオリックス戦(京セラドーム)で一軍復帰して六番に入ったが、今度は腰痛のため8月4日に登録抹消された。V奪回のために、その打撃は必要不可欠なのは言うまでもない。心身のコンディションを整えて早期の復帰を願うばかりだ。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム・松本剛

 今季、何度目の登場だろうか。今回の「開幕四番」も、松本剛だ。「俊足四番」構想を温めていたBIGBOSSから開幕四番に抜てきされた当時は、これほどまでの大ブレークは予想できなかったが、以降の活躍は目覚ましかった。四番で12試合に出場して打率.341、出塁率.426、8盗塁、本塁打ゼロながら文字どおり「走れる四番打者」だった。日替わり打線で主に一番、三番を務めて打線をけん引。首位打者独走の真っ只中、7月19日に自打球を当て左膝蓋骨下極骨折と診断されて約1カ月の戦線離脱となったが、8月14日のイースタン・DeNA戦(相石ひらつか)でついに実戦復帰した。BIGBOSSは16日の楽天戦(札幌ドーム)での一軍合流を明言。頼れる男が帰ってくる。

写真=BBM