首位を快走していたヤクルトが踏ん張りどころを迎えている。新型コロナウイルスの陽性判定で主力選手たちが大量離脱した影響もあり、7月以降に失速。2位・DeNAが8月に破竹の快進撃を見せて猛追してきたが、26日からの直接対決で2連勝して6ゲーム差に再び突き放した。リーグ連覇に向け、投打のキーマンの活躍が不可欠だ。
※記録は8月27日現在

すごみを増すバッティング



ヤクルト・村上宗隆

・村上宗隆
今季成績 114試合出場、打率.337、48本塁打、119打点、12盗塁
通算成績 526試合出場、打率.283、152本塁打、415打点、40盗塁

「令和初の三冠王」に向け、打ち続けている村上に対して相手バッテリーのマークはさらに厳しくなっている。勝負を避けられる場面も増え、25日の広島戦(神宮)では2打席連続の申告敬遠。今季94四球はリーグ断トツトップだ。ストライクゾーンに来る球は限りなく少ないが、きっちりスタンドに運んでいるところにすごみを感じる。23日の同戦では2点ビハインドの6回一死一、二塁で右翼席に運ぶ45号逆転3ラン。岩村明憲が2004年に記録した球団の日本人選手最多記録を更新した。横浜スタジアムで行われた2位・DeNAとの直接対決でも26日に2打席連続アーチを放つと、27日の同戦は48号右中間ソロを含む自身初の5安打と大暴れ。ウラディミール・バレンティンが達成したシーズン最多の60本塁打を更新できるか。

最終盤で打撃の爆発を



ヤクルト・山田哲人

・山田哲人
今季成績 102試合出場、打率.243、19本塁打、57打点、9盗塁
通算成績 1297試合出場、打率.287、267本塁打、793打点、189盗塁

 今季はなかなか波に乗れず苦しんでいる。開幕から不動の三番を務めてきたが、8月上旬から一番、二番、六番と打順が変わり、スタメンから外れることも。本塁打は出ているが、空振りやミスショットに首をかしげる場面が目立つ。高津臣吾監督も何とか復調のきっかけをつかんでほしい思いが強いだろう。山田が本塁打を打った試合は16勝3敗とチームが活気づく。三番に戻った今月26日のDeNA戦(横浜)でマルチ安打をマークすると、27日の同戦でも猛打賞と復調の兆しが。打撃不振で苦しんだ悔しさをバネに、シーズン最終盤は爆発したい。

DeNA戦で2カ月ぶりの勝利



ヤクルト・小川泰弘

・小川泰弘
今季成績 20試合登板、6勝7敗、防御率2.99
通算成績 224試合登板、90勝72敗1H、防御率3.62

 今月27日のDeNA戦(横浜)に先発して6回3失点の好投で、約2カ月ぶりの白星をマーク。ベンチで浮かべたホッとした表情が印象的だった。今季は新球の100キロ台のチェンジアップで打者のタイミングを外し、投球の幅が広がった。6月終了時点で5勝3敗、防御率2.29と好成績をマーク。しかし、7月以降は4連敗を喫するなど白星から7試合遠ざかっていた。投球内容自体は悪くないが、要所で踏ん張れずに試合中盤でマウンドを降りるケースが増えていた。2位・DeNAとの直接対決で見せた粘りの投球を続けられるか。救援陣の負担を減らすためにも、エースに掛かる期待は大きい。

飛躍の時を迎えたリリーバー



ヤクルト・木澤尚文

・木澤尚文
今季成績 43試合登板、7勝3敗5H、防御率3.28
通算成績 43試合登板、7勝3敗5H、防御率3.28

 ドラ1右腕は飛躍のシーズンを迎えている。新人の昨年は一軍登板なし。阪神・佐藤輝明、DeNA・牧秀悟、広島・栗林良吏ら同期入団の選手たちが大活躍する姿に期する思いがあっただろう。今季は救援で開幕から10試合連続自責点0と結果を残し、5月8日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初勝利をマーク。右打者の内角に食い込む新球のシュートが絶大な威力を発揮し、外角に逃げるカットボールが効力を発揮している。ロングリリーフも可能な右腕は勝負の分岐点になる試合中盤で登板する機会が多い。将来は守護神になる可能性も十分に秘めている。

救援陣の力になる元守護神



ヤクルト・石山泰稚

・石山泰稚
今季成績 27試合登板、0勝0敗9H、防御率2.16
通算成績 429試合登板、25勝33敗85S、82H、防御率3.31

 救援陣が安定感を欠いている中、救世主として期待されるのが石山だ。通算85セーブとかつては守護神を務めるなど実績十分の右腕だが、今季は6月23日に再調整で登録抹消。7月に新型コロナウイルスの陽性判定を受けた影響もあり、約2か月間ファーム暮らしが続いた。8月中旬に一軍のマウンドに戻ってくると、5試合連続無失点の快投。セットアッパーの今野龍太がファームに降格し、前半戦活躍した田口麗斗、梅野雄吾も痛打を浴びる場面が目立っている。石山が残り試合でフル稼働すればチームの大きな助けになる。

写真=BBM