“8時半の男”や“怪物”や……



作新学院高時代の江川

 甲子園の優勝投手2人がプロ入りした群馬県。1999年の夏を制した桐生第一高の正田樹は日本ハム3年目に新人王となり、2013年の夏に初出場で初優勝となった前橋育英高の高橋光成は西武で活躍を続けている。ちなみに、東京の早実で甲子園の頂点に立ち、日本ハムで正田の後輩となった斎藤佑樹も群馬の出身だ。

 高橋にとって西武の先輩で、1980年代から90年代にかけての黄金時代に右腕エースとして一時代を築いたのが前橋工高の渡辺久信。巨人のV9という空前絶後の黄金時代に“8時半の男”という異名を取ったリリーフエースが前橋高の宮田征典だ。古くには戦前のタイガース(阪神)でライバルの巨人を相手に初めてノーヒットノーランを達成しながら戦火に消えた左腕の三輪八郎もいた。

 その隣の栃木県は、作新学院高で“怪物”と騒がれ、80年代の巨人でエースとなった江川卓が筆頭だろう。江川は福島県の生まれながら、巨人に在籍していた当時は出身地を栃木としていた。作新学院高の先輩には、63年に甲子園の春夏連覇を達成したときの背番号1で、プロで73年に完全試合を達成した八木沢荘六(ロッテ)、甲子園では赤痢で離脱した八木沢をフォローしたが、中日で開花する前に事故死した加藤斌もいた。

 ロッテの後輩には国学院栃木高の渡辺俊介、神奈川の横浜高を出た成瀬善久ら。ちなみに渡辺俊介は高校では控えで、エースは西武で野手として新人王となった小関竜也。作新学院高の落合英二は中日で加藤の後輩となった。また、宇都宮南高の高村祐は近鉄で活躍。プロで江川の後輩となり、現在はメジャーでプレーしたのが佐野日大高の澤村拓一だ。

 北関東では野手が優勢の印象がある茨城県から海を渡ったのが水戸商高の井川慶(阪神ほか)。強豪の常総学院高にはリリーバーの島田直也(横浜ほか)がいる。島田はヤクルトにも在籍したが、ヤクルトで活躍したのが磯原高の鈴木康二朗、鉾田一高の梶間健一。鉾田一高から巨人へ入団した東野峻は2010年に13勝も井川のいたオリックスを経て、島田のいた横浜の後継球団のDeNAで現役を引退している。

文=犬企画マンホール 写真=BBM