メジャーで活躍する投手が多数



花巻東高出身の大谷は現在メジャーでプレーしている

 2022年の夏に初めて“白河の関”を越甲子園の優勝旗。東北6県の先陣を切ったのは宮城県の仙台育英高だった。仙台にはプロ野球も楽天が本拠地を置いているが、かつてはロッテが準フランチャイズにしていたり、漁業が盛んなことから大洋(現在のDeNA)にも親しみを持っている人も多いという。実際、大洋には気仙沼高から20歳11カ月で完全試合を達成した島田源太郎、東北高からはメジャーでも活躍した“大魔神”佐々木主浩や楽天で引退した斎藤隆ら好投手を輩出してきた。

 東北高には古くは“三若生”と呼ばれた同学年の若生智男、若生照元、若生忠男がいて、忠男は遠く九州の西鉄(現在の西武)で活躍したが、智男はロッテの起源である毎日、照元は大洋へ入団している。ちなみに東北高のエースとして甲子園を沸かせたダルビッシュ有は大阪府の出身だ。斎藤のように他のチームから楽天へ“凱旋”したのが現役で名取北高の岸孝之。こうした“凱旋”は今後、増えそうだ。

 甲子園の歴史を塗り替えた宮城の一方で、プロで歴史を塗り替える勢いなのが岩手県だ。かつては旧制の福岡中でエースだった小田野柏(阪急、現在のオリックスほか)や盛岡商(盛岡商高)の沢藤光郎(近鉄)、福岡高で小田野の後輩となった欠端光則(大洋ほか)ら渋い投手が多い県だったが、21世紀に入ると、花巻東高から菊池雄星(ブルージェイズ)がドラフト1位で2010年に西武へ。開花には少し時間を要したものの、17年には16勝、防御率1.97で最多勝、最優秀防御率の投手2冠に輝くなどエースとして大成。3年連続2ケタ勝利を置き土産に19年に海を渡った。

 続いてドラフト1位で13年に日本ハムへ入団したのが大谷翔平(エンゼルス)。もはや説明不要の“二刀流”だ。菊池も大谷もメジャーで活躍、先輩と後輩で対戦したりしているが、この22年にプロ野球で新風を吹かせているのが大船渡高からドラフト1位で20年にロッテへ入団した佐々木朗希。4月に達成した完全試合は、宮城の島田が1960年に達成したよりも約6カ月ほど若い20歳5カ月での達成。これで完全試合の最年少記録を塗り替えたことになった。

文=犬企画マンホール 写真=Getty Images