先行逃げ切り型の野球



今季は最下位に終わった立浪監督率いる中日

 今月29日のDeNA戦(横浜)に敗れ、6年ぶりの最下位が確定した中日。ただ球団別の対戦成績を見ると、DeNAに5勝18敗1分と大きく負け越しているが、他球団とは互角以上の戦いを繰り広げている。リーグ連覇を飾ったヤクルトに14勝10敗1分、広島に14勝10敗と勝ち越し、巨人、阪神戦はともに12勝13敗だ。

 スポーツ紙デスクは、中日の戦いぶりをこう分析する。

「投手力を生かした先行逃げ切り型の野球で、ヤクルトはやりづらそうに見えた。一方で先制されると打力が弱いので苦しい戦いを強いられる。広いバンテリンドームを本拠地にしているのでなかなか得点が入らないが、打線の力不足は否めない。昨オフは新外国人の野手を1人も補強しなかったが、今オフは獲得を検討すべきだと思います。ビシエドを五、六番に置いて、四番を打てる助っ人の強打者が入れば雰囲気がガラッと変わる。一、二番は安打製造機の大島洋平、成長著しい岡林勇希がチャンスメークできる。補強次第で十分に勝てるチームだと思います」

 投手陣はリーグ屈指の陣容と言って良いだろう。大野雄大、柳裕也のダブルエースは今季ともに8勝止まりと不完全燃焼だが、小笠原慎之介が9勝8敗、防御率2.84の好成績をマーク。高卒2年目の高橋宏斗も6勝7敗、防御率2.47と頭角を現し、球界を代表する右腕になる可能性を秘めている。救援陣もチームトップの38ホールドをマークしているジャリエル・ロドリゲス、31ホールドでセットアッパーに定着した清水達也から、リーグトップタイの38セーブを挙げているライデル・マルティネスにつなぐ強固な勝利の方程式が完成している。

ビシエドを脅かす外国人の必要性


 課題は得点力不足に尽きる。今季の405得点はリーグワーストで、トップのヤクルトは603得点と約200点の差がある。チーム本塁打数は62でヤクルト・村上宗隆は55本塁打で7本差しかない。2ケタ本塁打に到達した選手はダヤン・ビシエドのみで14本塁打。アリエル・マルティネスは打率.276、8本塁打。7月上旬まで3割を超えるハイアベレージをキープしていたが、左手の違和感で1カ月半以上戦線離脱。9月に復帰したが、26日に再び登録抹消された。シーズン途中に育成入団したペドロ・レビーラは7月27日に支配下昇格され、同月30日の広島戦(マツダ広島)で来日初出場初アーチを放つ鮮やかなデビューを飾ったが、その後は変化球の対応に苦しみ、打率.203、1本塁打で今月23日にファーム降格が決まった。


A.マルティネスは常時出場できれば結果を残すはずだ

「アリエル・マルティネスは故障が多いのがネックですが常時出場すれば、打率3割、20本塁打はクリアできる能力を持っている。ビシエドのレギュラーを脅かすような外国人を獲得しないと、チームは活性化しないと思います。外国人は活躍が未知数な部分が多いですが、巨人のアダム・ウォーカーのように年俸3400万円の格安助っ人が大ブレークする可能性がある。FAを含めて今オフは即戦力野手の補強が最重要テーマになるでしょう」(スポーツ紙デスク)

 落合博満監督が黄金時代を築いた2004〜11年は「守備のチーム」だったが、タイロン・ウッズ、トニ・ブランコと破壊力抜群の四番打者を擁していた。巻き返しに向け、ポイントゲッターの出現を立浪和義監督は願っているだろう。

写真=BBM